初戦その4


と、思ってた時期が俺にもありました。

「ロン、トイトイタンヤオドラ2、8000」

ルールわかるまで無難に打ったつもりだったがどうやらそれをよまれたらしくオーガに直撃とやらを食らってしまった。

ついでに上着とズボンは消滅。シャツにベルト、パンツ一丁の素晴らしい服装になっている。

いやん見てる人のエッチ・・・誰得だよ!!

現在南二局。点数は皆流局とやらで保たれたいたがついに崩れ去った形だ。

それにしても数字待ちしか見てないな・・・。

もしかして数字しか待てないのか?

「雀にぃのバカ・・・」

「一度直撃くらっただけでその罵倒。ありがとうございます御褒美です」

ハァハァ、とドン引きされてる冗談はこれくらいにしてと。

一体どうすっかな。

「お前らはここまでよくやったと思うぜ、だから教えてやる」

「何をだよ」

「お前らが逆転出来る手を教えてやろうってんだ」

なにか裏があるのか?

どうしてそれを教えようとする。

「教えたところで来るとは思わないからな。特別だ。麻雀には高い点数の役満がある。しかし条件が厳しくなかなか達成はできないものだ。俺も人生で二回しか自摸っていない」

オーガは、牌を崩して手元に14牌持ってくる。同じ絵柄がたくさん揃っている。

3つずつが4つ。同じ絵柄二つが一つの形である。

「これが最もでやすい役満、『四暗刻だ』」

「スーアンコ?」

意味がわからん。もう少しわかりやすくしろ。

牌だけ見て何となく形だけは理解したが難しいのはわかる。

それだけ揃いにくいのだ。

4人で牌が分配されるこのゲームではそもそも同じ牌が来る確率が非常に低い。

それはここまでで理解している。だからこそ無理だと決めつけて俺達に教えている。

「あともう一つ教えておこう。これも出やすいやつの一つだ」

絵柄を1枚ずつ取り寄せていく・・・これは?

「これが次出ることが多い役満『国士無双』だ」

一九の牌と東西南北、白、發、中。

合計すると13牌並べられている。

「今は13牌ここにあるがこの形なら今見ている牌どれでも和了ることが出来る」

!!

何度も最初の手牌に嘆いたかわからなかった。

しかしそれは・・・逆転の可能性を秘めていたものだったのか。

光が・・・見えた!!

「麻央、やるぞ」

「雀にぃ、なにか思いついたの?」

「ああ、ある意味天文学的確率だが」

麻央に俺はボソボソと伝える。

もちろん相手には伝わらないように小さくだ。

さて、準備と知識。まだ完全じゃないがパズルは揃った。

「覇気が戻ったか。何をするつもりだお前ら」

「それはやられてみてからのお楽しみだコノヤロー」

「雀にぃ、やっつけよ」

「ああ、・・・さぁ、今度こそゲームを楽しむとしようか」

負け続ければ楽しくない。

楽しくするために最初の1戦は勝たせてもらうぜ?

反撃の・・・開始だ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぬぎつも! 白羽彼方 @sirahane

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ