最強転校生のライバルvsその後輩

「さぁ!!まもなく8グループ第2試合が始まろうとしています!!生徒会長の長い挨拶、先生方の注意事項などを聞いてから、もう一試合終わって、まもなく第二試合が始まろうとしています!あ、私実況を努めます2年と仁道日陰と」


「解説兼見守り役の七草しすがですー♪」


「さあ、お互いに開始のブザーを待っていますが、2年那波、1年長久手、両者あまりパッとしない対戦カードですがどう思いますか?七草先生??」


おい、パッとしないってなんだよ。確かにあの2人の決闘みたらそう思うかも知れないけと、そういうこと言っちゃうって実況として大丈夫なのか??

まあブザーがなればフィールド内の傷などの出来事をなかったことにする魔法フィールド、通称ヒールフィールドが貼られるのと同時に解説の音声もこちらには聞こえなくなるからいいけどさ。


「まあ詳しいことは始まってから話しましょうか♪」


すると低いサッカーのブザーに似たような音が場内に響く。


「試合開始です!!」


その声はこちらには途中までしか聞こえなかった。


「行きますよ、先輩。」


「どこからでもどうぞ」


フィールド外アナウンス


「いやーぶっちゃけ七草先生はどう思いますか?」


「完全に那波くんの勝利ですね」


「きっぱりいいますねー!確かにランクは高いものの前回の学内選抜戦はマッチングが悪かったせいか、結果は残せてませんからねぇ」


「でもうちの可愛い妹こと花蓮も彼には勝てませんでしたし、彼の固有魔法は強力ですよ〜!」


「そうなんですか!ちなみに私、那波くんの固有魔法を存じ上げてませんがどのような魔法で??」


「まあ、本人の承諾を得るのが普通だけどどうせ後で見ることになるし、まあいいっかー彼はバレるのが嫌で使用を避けてきたけど流石に後輩相手でも固有魔法使われると基本魔法じゃ勝てないですしね♪」


「で?どんな魔法なんですか??」


「具現魔法ですね♪」


「具現魔法ですか?そんなに珍しい魔法でもないですねー!!ちなみに固有魔法はいくつかの種類に分類できるのですが、その中でも具現魔法とは何も無いところから物や動物など生物、無生物に関わらずに生み出すことができる魔法です!

具現魔法といえど種類はたくさんあり、見たことのあるものを想像し具現化する人や、逆に見たことのあるものは具現化することが出来ず、実際に頭の中で完全に妄想した物のみを作り出す人もいるようで、なかなか魔法の種類の範囲が広い魔法でもありますが、デメリットとして詠唱が相当長く、実践に不向きな点や、個人差はあると思いますが出せる種類に制限があったりする魔法ですね??先生合ってますか?」


「はい、そうです♪補足すると、具現魔法以外の固有魔法はモチーフとなる武器や物を登場させますが、具現魔法にはそれがないことですかねー。まあ具現魔法の中でも何癖もあるのが那波くんの固有魔法ですね」


「なるほど!それで彼の固有魔法とは??」


「それはですねー・・・・」


フィールド内 対戦者



「じゃあ先輩行かせてもらいますよ。ファイアー!!」


繰り出された3つの火の玉はこちらへ真っ直ぐ飛んでくる。

彼は練習の成果として、手をクロスさせる基本動作の排除、そして炎を放射する基本魔法のファイアはそのまま放つと火炎放射器のように炎を放出できるため範囲こそ広いものの距離が足りない、だから彼は炎を火の玉へと形質変換させることも僕から教わった。

それらを彼は完全に習得しこちらへ放つ。

実に学習能力の吸収がよく、いい人材だ。

彼は間違いなく成長するだろうな。


あ、言い忘れてたけど基本魔法は練習すれば形質を変換出来るんだ!!


たくさん解説したし、バトルに戻るよ!


僕はいつも通り無言で氷の刃を4つ出し、3つを火の玉へ、残りの一つを長久手へと放つ。


彼は危機にいち早く察知し、迫り来る氷の刃を回避した。


しかし僕は既にメルトによって出現させていた球を2つ彼に放っていた。回避という選択肢はない。

球は側面2方向から彼に直撃した。正直この程度かと思っていた。

しかしその思いはすぐに覆る。


彼は片手ずつで基本魔法のガードを使用していた。スペルは聞こえなかった。

すなわちー無言で。


「やるじゃん、長久手。」


基本魔法の中でも最も高難易度の魔法”ガード” 魔法の制御バランスが少しでも悪いと失敗してしまう、もしくは少しでも強い攻撃を喰らうと破壊されてしまう粗悪なものになってしまうからだ。

僕が放ったメルトはそんなにやわな物ではない。つまり彼は僕の知らない間にガードの練習をし、取得。もしくは習得していたのだ。


「あなたに勝つならこの程度出来ないと勝てないですよ」


「間違いなく、ランクは上がるだろな。ガードを片手で放ち且つ硬さはA帯のメルトを防ぐもの、しかも二つ。極め付けは無言。今まで本気でやってこなかったやつか??」


「いえ、ガードの魔法だけは親から物心つく前から教わってましたので。親は自分たちみたいに魔法使いになって欲しくなったみたいなんですが、自分で自分を守れるようにとガードだけは物心つく前から教わりました。」


なるほどな。魔法はピアノと一緒だ。早く始めれば始めた分だけ魔法使いとして強くなれるし。サボればサボった分だけ下手になる。

まああの転校生だけは例外だけど。


僕は宙を舞った。


彼も僕に続く

「フライ」


「ここからは空中戦と行こうか」


「望むところです。」


僕、那波純。後輩と戦ってます!!





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最強転校生の隣の席の僕 冬馬 凪 @Alicetear0315

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