2.一方的な災難

 肩辺りまで伸ばされた黒髪。

 黒曜石の瞳。

 身体の線は細く、背丈は戦場へと身を置く者共からすれば酷く小柄だ。

 女性へと移りゆく年頃の独特の濃艶さを纏う、たった一人の少女。

 それが、戦場で強者と呼ばれる者が一対一でも手を焼く【使役者】およそ五十を、唯の一撃で屠るなど……


(……有り得ない)


 マックス=ローレンは、己の顔を冷や汗が伝っていくのを感じていた。

 無意識で、唾をも飲み込む。

 そうして、未だ驚愕に呑まれながらも、隣で己と同様に動きを止める男を見た。

 マックスにとっては表情筋が死滅しているとしか思えない程に表情の希薄なアラン=ゾラが、驚愕を露にしている事実にも驚かされるが……

 ……何よりも彼が驚いたのは、アランと少女が似ていることについてであった。

 小柄な少女と無骨な男。

 体格も、性別すらも違うこの二人の、一体何が似ていると感じたのか。緊張の中、マックスは要因を頭の中で整理する。


 まずは色彩。

 黒髪自体は彼の所属国でもそう珍しいものでは無いが、瞳の色まで黒であることは珍しい。

 アランとは長い付き合いだが、彼と同じ色を持つ者を、マックスは初めて目の当たりにした。

 次に、手にした得物。両刃の剣や槍が主流の世情において、両者とも片刃の剣である。

 尤も、アランは身の丈程もある大剣で、少女はマックスの持つ長剣よりも僅か短く刀身も細い、という質量的な違いはあるが。

 それから、二人の纏う雰囲気。

 そう、二人が似ていると。最もそう思わせられる要因は、雰囲気によるものが大きかった。

 根拠など皆無だが、まるで近親者のようだとすら、彼に思わせる程に。

 使役者およそ五十……精霊も含めれば百の命を一瞬で奪っておいて、少女は眉ひとつ動かさず涼やかに佇んでいる。

 奪った命に対する呵責など滲ませることもなく、ただ、静かに。

 今でこそ驚愕に表情を支配されているアランだが、こんな事でも無ければ、少女の様相は普段の戦場でのアランそのものなのである。

 両者とも表情筋が死滅しているのだろうか。


 ……と、マックスが思考に耽ることが出来たのはそこまでだった。

 ゆるりと。少女が再び得物を胴の高さまで上げ、視線をも持ち上げたのだ。

 使役者達の中を一直線に駆け抜けた彼女は、その場所へと向かうところであったアランとマックスの、ほど近い正面辺りに立っている。距離にして五十歩程度か。

 少女の視線は、マックスへと。次にアランへと向けられた。

 アランは瞬時に表情から驚愕を払拭して得物を構え、マックスは思わず後退したい衝動に駆られながらも、何とか長剣は構えたまま踏みとどまる。


 来るか。


 心身ともに構えた二人であったが、少女はすぐに二人から視線を外し、踵を返して再び使役者の生き残り達の許へと疾駆した。

 少女の行く先で悲鳴と血飛沫が舞い、戦場であることを忘れていたかのようなその場所は、再び動き出す。


「……み、味方、なのか……?」


 襲い掛かってきた敵兵を事も無げに斬り捨てながら、マックスが困惑の声を上げた。

 見れば、少女は使役者の残りおよそ五十を既に壊滅させ、更に戦場を縦横無尽に駆け抜けている。

 彼女が刈り取るのは、インベルグ王国軍所属の者共の命だ。

 ヴァレシア同盟軍所属の者共は彼女が移動する軌道上に居ても危害を加えられることなく、疾風の如き少女を目で追い、マックス以上に困惑を露にしている。


 そうするうち、更に困惑を増長させる方向へと、事態は動いた。

 上空に未だ留まる人影も、行動を起こし始めたのだ。

 上空の人影は、先程のような光の柱の如き威力を孕む広範囲魔法をインベルグ軍の後衛部隊へと幾度も放ち、信じ難い勢いで勢力を削いでいる。後衛へは魔法部隊も配置されている筈であるが、その者共が張る結界魔法など意味を成さず、結界ごと焼き尽くされる始末であった。

 途方もない魔力量。

 地上からは距離がある為、上空のが人型をしている程度の事しか判別出来ないが……恐らく人ではあるまいと、地上の者共は考える。

 そうでなければこれまでの鍛錬の無意味さと己の脆弱さに打ちのめされてしまいそうな程に、少女と上空の人影の力量は、一線を画していたのだ。




 二百余名もの【使役者】を動員し、優位であった筈のインベルグ軍。

 彼の軍の九割が壊滅したことにより勝敗が決したのは……それから、僅か半刻後のことであった。




* * * * * * *




 インベルグ軍の残りが敗走を始めてから数分。

 状況の落ち着いてきた戦場を見渡しながら、マックスは得物を鞘へと収める。

 酷い光景だった。

 ただの草原であった場所が、今や見渡す限り死体の山である。

 自軍の死者も合わせて二万にのぼる人間が倒れているのだから、草原の景色を埋め尽くすのも無理は無い。

 死臭が鼻孔を掠め、マックスはわずかに顔をしかめる。

 どれだけ場数を踏もうと、彼は、この戦場の臭いが苦手だった。

 特に今回は……五体がある状態で事切れている者の方が少なく、血の臭いが強く漂っている。更に、閃光で焼かれた者共の臭いも混じり、これまで嗅いだことの無い強烈な死臭となっていた。

 だが、この死臭を作り出した存在のお陰で、苦境が予想されていた自軍の被害が軽微なもので済んだのだ。あまり嫌な顔もしていられない。

 尤も、天災級のその存在に目を付けられてしまったインベルグ軍にとっては、災難でしか無かっただろうが。

 おびただしい数の死体に住む場所を占拠された草原の生きもの達にとっても、災難であったことだろう。

 殆どの死体はこのまま打ち捨てられる。

 長閑だったこの草原は、これからしばらくの間、死肉を喰らうもの共しか近寄らぬ場所となるのだから。


 ……そして、マックスもまた、災難をこうむろうとしていた。




 終局まで近くで戦っていたアランとマックスの元へ、一人の男が近付いてくる。

 ヴァレシア騎馬隊の副隊長を務める、ゼルギウス=ブラーレンツという男だ。

 同盟軍総指揮官であった騎馬隊の隊長が開戦間もなく魔法で吹き飛ばされて絶命したため、彼が現状の最高責任者である。

 尤も、アラン達はオリオスティからの派兵であるうえに、遊撃部隊として実力主義で構成された特殊枠なので、上司という訳でも無いのだが……


「此度はご苦労であった」


 神経質そうな強面の壮年男は、騎乗したまま、上から声を掛けてきた。

 アランは全く興味が無さそうにちらとだけ見遣り、マックスはひらひらと手を振りつつ「イエイエ」と答える。

 彼らの対応に、顔の片側を不快そうに歪めたゼルギウスは、ある一点に視線を向けて顎をしゃくった。

 視線の先、こちらの声が届かぬ程度に離れた場所には黒髪の少女が立ち、敗走するインベルグ軍の背をじっと見据えている。


「あれは、貴国の兵か?」

「いいえ、違いますね。あなた方もご存じ無いんで?」

「知っておれば、このような質問などしておらん」


 応対する気の無いアランに代わってマックスが答えた訳だが、この男、いちいち癪に障る物言いだなとマックスは不快感を抱く。そもそも少女の所属について確認したいのなら、肩書きはただの一騎士であるアラン達ではなく、オリオスティ友軍の責任者へ訊ねれば良い話なのだ。

 現在オリオスティの責任者は、インベルグの捕虜を管理したり怪我人の処置を指示したりと事後処理に忙しそうなので、単に気を遣っただけとも考えられるが……


「ともかく、あの女の所属を確かめねばならん。付いて来て貰うぞ」


 マックスは、変わらず上からの物言いをするゼルギウスに対し、生暖かい眼差しを向ける。

 要するに、立場的に少女の所在を問わなくてはならないが、一人じゃ怖いから付いて来て欲しい、と。

 そういうことなのだろうと解釈したゆえに。

 確かにあの実力を見せ付けられれば、接触に慎重になるのも無理は無い。

 尤も、自分達を連れて行くことで牽制になるのかどうかは、甚だ疑問であるとマックスは思う訳なのだが。

 少女がその気になれば、一瞬で首を取られて終わりだろう。

 だが、一応は、盟友国軍責任者の言だ。

 少女が何なのか気にはなるし、マックスは付いて行くことを了承する。

 一方アランは、というと、ゼルギウスに言われずとも少女に接触するつもりだったのだろう。ゼルギウスの言葉を最後まで聞くことなく、既に少女の元へ向かって歩き始めていた。




「此度は我が軍への尽力、感謝する」


 背後から唐突に尊大なる言葉を掛けられ、少女は静かに振り向いた。

 肩までの黒髪がさらりと揺れ、陽の光を受けて艶めく。

 遠目では漆黒かと思えた彼女の髪は、陽で透かされると紫色を孕んだ。

 表情が希薄であるものの涼やかな目許に嵌まる瞳も、深淵の闇に紫色の星々を散りばめたかのような、不思議な色合いをしている。

 身体の線は近くで見るとより一層細く、その存在は、酷く儚げに見えた。

 美しい少女だ、と、マックスは思う。

 少女が一方的な殺戮を行う様を彼は目の前で見ていたというのに、それでも、そのことが信じきれなかった。

 よくよく見れば、少女はあれだけの立ち回りを演じておいて、衣服に返り血の一滴も浴びていない。

 どれだけ途方もない技量があれば、あの血飛沫の中でそのような真似が出来るというのか。

 己の隣に立つ返り血に塗れたアランと見比べ、似ていてもそこだけは正反対だなと、マックスは半眼で乾いた笑いをこぼした。


「しかして、その身の所在は何処にある。何の目的があり、我らに加担したのか?」


 馬上から問うゼルギウスを、少女は見上げる。

 そうして、ゆっくりと、唇を動かした。


「……別に、何処にも所属はしていません」


 その表情のように、淡々と紡がれた声。

 小さな鈴の音のような声量でありながら、澄んだ響きを伴う声は、戦場の温い空気を奔って鼓膜を震わせる。


「では何故インベルグへ刃を向けたのか、答えよ。もしや、我が軍への志願兵か? そうであれば……」

「違います」


 あくまで淡々と。

 しかしはっきりと、少女は高圧的なゼルギウスの言葉を遮った。


「私は何処にも所属しない。今回は、目的のためにインベルグが邪魔なので斬ったまでです」


 表情を変える訳でも無い。声を荒げる訳でもない。

 それでも自尊心の高いゼルギウスを黙らせるだけの静かな気迫が、少女にはあった。


「私はあなたの敵ではありませんが、味方でもない。私の行動を制限したり邪魔をするようであれば、私は容赦なくあなたにも刃を向けるでしょう。安易に、自軍へ引き入れようなどと思わないことです」


 畳み掛けるような少女の言葉に、ゼルギウスは頬を引きつらせる。

 何かを言い返そうとでも思ったのか、彼は口を開きかけるが……インベルグを壊滅させた、彼女の実力が脳裏をよぎったのだろう。苦虫を噛み潰したかのような表情ではあるが、思い留まり口を閉じた。


「では、事後処理の邪魔にならぬよう立ち去ることだ。……失礼する」


 それだけを言って、ゼルギウスは馬の手綱を引いて腹を蹴り、自軍の方へと戻っていった。

 半ば無理に引っ張ってきた筈のアランとマックスのことは、置き去りである。

 アランは特に感じることも無いのか少女に視線を向けたままだが、マックスは、やれやれとばかりに大袈裟に肩をすくめた。

 改めて、マックスは少女に向き直る。

 ゼルギウスが立ち去ったことで、少女が携えていた言い知れぬ気迫のようなものは消え去ったように、彼には思えた。


「悪いね。あのおじさん、戦闘後で気が立ってるから」


 おどけた調子で、マックスは少女へと声を掛ける。

 アランに似ている、という勝手なイメージを抱いていた所為か、先ほどのゼルギウスとのやり取りがあった所為か。

 マックスは少女から淡白な返答をされる想像をしていたのだが……意外にも、少女は何度か瞬きをした後、表情を微笑みの形に綻ばせた。

 クスクスと、小さな笑い声まで零す。

 前言撤回。

 少女の表情筋は、まだ息をしているようである。

 花の咲いたような……とは陳腐な表現だと、彼は思ったが。

 少女の微笑みはそう言って差し支え無いほどに、年相応の可愛らしいものだった。


(……可愛いな、この子……)


 マックスは思わずたじろぎ、頬を微かに朱に染める。


「気にしていません。それより、お二人に怪我はありませんか?」

「おっ……おお! 無い無い。君のおかげで、全然大したこと無いから」

「そうですか。それなら、良かった」


 ゼルギウスに対してとは打って変わり、マックスへ対する少女の態度は、思いがけず好感触なものだった。

 マックスは脳裏に疑問符を浮かべることを禁じ得なかったが、可愛いからまぁ良いか、と、気楽に考えることにする。

 対してアランは、そんな可愛らしい少女に対し、睨み据えるような厳しい視線を向けたままだった。


「茶番は良い。お前は……?」


 少女とマックスの会話を断ち切るかのように、アランが切り込んでくる。

 アランの視線と向き合い、少女は微笑みを表情から消し去った。

 マックスは片手で目許を覆い、天を仰ぐ。

 この和やかな空気のまま少女の正体についても言及するつもりであったのに、気を逸らせたアランがぶち壊してしまったのだから、そうしたくもなるというものだろう。

 尤も、マックスはアランが逸る気持ちも判るつもりだった。

 その境遇から、ひたすらに強さを追い求めるアランにとって、少女が見せ付けた力の淵源を問うことは、最も優先すべき事柄なのだろう。

 しかし、それにしたって言い方はあるだろうと、マックスは思う訳なのだが。


「私は……」


 血に濡れたアランの鋭い視線にも気圧された様子を見せない少女は、小さく唇を開き、何かを言いかける。

 それを遮ったのは、唐突に聞こえた声と、圧倒的な気配だった。



「この娘は私のもの。それ以上のことは、詮索せぬことだ」



 声と同時。少女の背後から伸びてきた腕が、慈しむように、少女を腕の中へと包み込む。

 その行動とはうらはらに、腕の持ち主から発せられる威圧感は凄まじいものだ。

 まるで、頭上から衝撃波でもぶつけられているかのように。気を抜けば、その場に膝をついてしまいそうなほどである。


 銀に輝く長い髪に、琥珀色の鋭い眼光。

 見慣れぬ詰襟の長衣を纏う、見目麗しい男だった。

 気配を微塵も悟らせぬまま、いつの間にか少女の背後から現れたその男は、口許は笑みの形を取りながらもアランとマックスを牽制している。

 ……先ほど上空から凄まじい魔法を幾度も放っていた者と同一だと、二人にはすぐに判った。


「ただ、そうだな……アラン=ゾラよ。ひとつだけ貴様に教えてやるとすれば、我々が【契約】しているということだ」

「……【契約】」


 名乗りもしない名を言い当てられたことを気にもせず、男が口にしたその言葉を、アランは反芻する。


「そう、【契約】だ。ゆえに、貴様がこの娘の力の所在を問おうとも、この力は決して貴様のものにはならぬ。この娘は私のものであり、私もまた、この娘のものでしか無いのだから」


 抱き込んだままの腕、その指先で少女の頬を撫でながら、男は少女の後頭部へと愛おしげに己の頬をすり寄せた。

 さらりと銀糸の髪が流れ、男の耳元が露になる。

 男の耳は先が尖り、よくよく見れば、鱗のようにひび割れてもいた。


 ――――契約。


 その言葉が、少女が【契約者】であることを指すのだとすれば、男は人間では無いということになる。

 そうであっても、二人の中にさほど驚きは無かった。

 先ほどの戦闘中、彼らだけではない多くの者が男に対して抱いた印象が、そのまま現実となるだけなのだから。

 むしろ人間だと言われるよりは、精霊だと言われた方が現実味がある。

 とは言え……二人には、男が精霊だとも思えなかった。

 インベルグ軍の使役者。その背後に幽鬼のように佇む、もの言わぬ精霊。

 それしか目の当たりにしたことが無いことが、理由といえば理由なのかも知れない。

 つまりは単純に直感的なもので、何の根拠も無い。

 それでも二人には、圧倒的な強者の気配を漂わせるこの男が、精霊ともまた隔絶された存在に思えて仕方が無かったのだ。


 その、隔絶された存在に思えて仕方が無い男の視線が、今度はマックスへと向けられる。

 マックスは思わず肩をそびやかし、じわりと僅かに後退した。


「マックス=ローレン。貴様も憶えておけ。この娘は、私のものだ」


 ぎらりと眼光を鋭くし、威圧の中に敵意すら滲ませながら、男は告げる。

 背筋に冷たいものを感じながら、マックスは困惑するしか無かった。

 アラン同様名前を言い当てられた、そんな事に対してでは無い。それよりも、初対面で洒落にならない相手から敵意を向けられる意味が判らなかった。

 男ともそうだが、マックスは、勿論少女とも初対面である。

 先ほど可愛い子だとは思ったが、本当にそれだけで、物理的には何もしでかしてはいない筈だ。

 それとも、少女が自分のものだと言って憚らないこの男にとっては、心の中で可愛いと思うことすら罪だとでも申すのか。


「理解したのか? どうなのだ」

「おっ……おぅ……?」


 返答を催促してくる男に、気構えをしていなかったマックスは中途半端な言葉を返してしまう。

 それを煮え切らない態度だとでも受け取ったのか、男は、更に目を細めて空気まで凍り付きそうなほどの気迫を放ってきた。


「理解出来ぬと申すか? ならば仕方あるまい。我が力をその身に刻むが」

「フローリア」


 魔力を掌に集中させ始めていた男の言葉を、少女がぴしゃりと遮る。

 それは男の名だったのだろうか。

 一転して蕩けるような笑みを浮かべた男は、少女を抱き込んだまま身を乗り出し、その顔を覗き込む。

 淡々とした表情のまま、少女は至近距離まで迫った男へ視線を向けると、


「暑苦しい。離れて」


 そう言って、男の顔面をぐいーっと遠くへ押しやった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

黒紫の慟哭 赤銀の契約 春雪ノ下 @haruyuki_under

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ