生死へ肉薄する本格アクション

地の文でアクションを書く方法は2つあると読んだことがあります。
1つは映画のような状況をイメージして、それを細部まで描く手法。もう1つは登場人物の内面を描き、何を考え感じながらアクションに臨んでいるのかを描く手法だそうです。

本作は徹底して前者で、この手法で求められるのは読ませたいものと描くものの整合性を取ることが第一なのですが、この点本作は期待をはるかに超えていました。読みやすいだけでなく、作者の熱量が伝わる緻密さを感じました。

特に際立っていたのが静と動、緩と急の使いわけで、平穏無事に過ごしていた人が厄災に巻き込まれる描写はニーア・レプリカントのディレクターであるヨコオタロウ氏が好んで使うやり方なのですが、そのリスペクトは大成功の域と思います。

展開もスピーディでキャラクターも格好いい、こうした作品が漫画化するのであれば、ぜひ読んでみたいです。

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