プロローグその2 ―城の一室にて―

 とある国の城にて。

 蒼髪碧眼の美少女が、部屋で一人黙々と手紙を書いていた。


 羽ペンを持つ手もまた美しく、手さばきは一流のピアニストを想起させる優雅さ。

 そして滑らかに文字を綴り、頃合いを見て羽ペンをインク壺に戻す。

 美少女が再び羽ペンを取る様子は無い。どうやら終わったようだ。


「うふふ……龍野君りゅうやくん、来てほしいな……。三年ぶりに、会いましょう?」


 美少女は静かに、優雅に、そして待ち焦がれるように……ほほ笑んでいた。

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