中編
「はぁ、はぁ、はぁ……」
走りにくい病院用のスリッパを脱ぎ捨てたKは廊下を無我夢中で走り続けました。静かにしなければいけない場所ですが、そんな事は今の彼の脳内には一切考える余裕はありません。
確かに時々あの美人ナースがいっぱいいればもっと楽しいのに、と考えた事はありました。しかし、いざそれが実現した時、自分だけでは制御する事が出来ない恐ろしい存在になってしまうと誰が予想したでしょうか。とは言え、ここは巨大な病院、あの部屋からだいぶ離れたこの場所ならナースたちが辿り着くまでには時間がかかるだろう。そう考え、一息つこうとした時でした。
「大丈夫ですか?」
「!?」
聞き慣れた声の方を向いた彼の目に飛び込んできたのは、その美人ナースの姿でした。相変わらずの笑みを見せ、太ももや胸を見せつける彼女ですが、Kの衝撃はそれだけではありませんでした。そのまま少し後ろを振り向いた時、その視線には信じられない光景が映っていましたからです。
例の美人ナースが現れていた部屋は、Kのいた部屋だけではありませんでした。その隣、その向かい、またその隣、またその向かい……ありとあらゆる部屋から全く同じ姿の美人ナースが現れ続け、こちらに向けて来ているのです!しかも、何十何百と出てきてもその数は尽きる事無く、ピンク色の制服越しに大きな胸を揺らし、太ももを見せつけながら、どんどんその数を増やしていきます。
「待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」待ってください♪」
「うわあああああっ!!!!!!」
休息する暇は、Kには与えられていませんでした。
数えきれないほどのナースに追われながら必死に逃げるKの目の前に、一階へと直行する急行エレベーターの出入り口が現れました。運良くこの階に泊まっており、これを使えば無数のナースたちから逃げ出す事が出来る可能性は十分あります。期待を込めてボタンを押すと、すぐにドアは開きました。ですが、既にその中は何十人ものナースでぎっしり埋めつくされていたのです。
「大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」大丈夫ですか♪」
「ぎゃああああっ!!」
彼女の体のスタイルや顔などで喜んでいる余裕は、今のKには残されていませんでした。大量に廊下や部屋を埋め尽くすナースを前にしては、いくら鍛えた体とは言え何をされるか分からないという恐怖が彼の心を包み込んでいたのです。
エレベーターからは、部屋と同じように数限りなくナースが溢れ続けています。もはや彼に残された選択肢は、近くにあった下り階段を使ってそのまま一階へと直行する事しかありませんでした。この異常現象が起きているのはこの階だけ、下に向かえばまだ大丈夫だろう、そう考えていた彼の考えは非常に甘いものでした。何故なら、下の階へ降りれば降りるほど、通過した上の階の廊下や部屋がナースによって埋め尽くされ続けたからです。
「うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」うふふ♪」待ってください♪」
この巨大病院の中央には大きな吹き抜けがあるのですが、そこからちらりと見たKの視界からも、既に上の階が次々にナースを構成する色に染まっていく様子が嫌でも分かりました。あらゆる部屋から次々に溢れ続け、病院を埋め尽くしながら彼を追いかけ続けるナースの大群が目に入る度、図体が大きい割に小心者の彼には恐怖がどんどん溜まっていきました。
「どうすればいいんだあああっ!」
大声を出しながら必死に階段を駆け降りる彼ですが、その後ろの階段は既にナースで埋め尽くされていました。
「どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」
優しい口調で無数の返事をされたKの口から再び叫び声が出たのは言うまでもありません。
それでも、走る速さは何とかナースよりもKの方が上と言うのが唯一の幸いでした。転びそうになりながらも、何とか彼は一階に辿りつく事が出来たのです。まだこの場所には一人もナースの姿は無い事を確認した彼は、ようやく安息の時が訪れたと感じて受付カウンターに上半身を横たえました。ところがその直後、完全に油断していた彼の肩を、誰かの手が触れる感触が包みました。何かと思って振り向いた彼の表情が、一瞬で固まりました。
「大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」大丈夫ですか?」
受付カウンター内の部屋を埋め尽くす何十何百ものナースが、一斉にこちらに向けて微笑みかけて来たからです。
「ああああああああああああっ!!!」
凄まじい叫び声をあげて、先程の疲れの姿勢はどこへやら、猛スピードで彼は病院の手動扉を開けて、そのまま駐車場へ一直線で逃げ出しました。
何も考えずに無我夢中で飛び出した彼ですが、ここでも幸運が働きました。まるでKのために特別に用意されたかのように、出入り口の側に一台のバイクが止まっていたのです。しかもキーが入ったままで放置された格好、まさに天の恵みだと言わんばかりにKは急いで飛び乗り、エンジンをかけて病院を抜け出していきました。紛れもなく「盗難」ですが、大量に現れ続けるナースの大群に埋め尽くされた空間に閉じ込められ、もみくちゃにされてしまうと言う危機を前に、Kは一切の良心を放棄したのです。
「はぁ……はぁ……」
自分の愛車よりも古く速度も遅い形式でしたが、今までの経験が功を奏し、すぐにこのバイクの運転も慣れてきました。ですが、先程までの『地獄』と化した病院から脱出できた事に対する嬉しさよりも、そこに至るまでに大量に溜めた疲れがどっと現れてしまい、それが足枷となってなかなか速度を上げる事が出来ません。一旦自分の心を落ち着かせるために深呼吸をし、そのまま横を見た時、彼はまたまたその目や耳を疑いました。
「頑張ってください♪」
確か、あれは『病院』の中にいるはずの存在。普通こういった道の真ん中を、あのような姿のナースが歩いている訳が無いはずでした。ですが、もう一度反対側の様子を見た時……
「頑張ってください♪」「頑張ってください♪」
……残念ながら、それは確定条項へと変わってしまいました。道に佇む二人の美人ナースが、自分の方へ笑顔を向けているのです!しかもその全身は先程まで見続けた病院の中の彼女そのもの、大きな胸や太ももを見せつけるナース服に帽子、短く整えた健康そうな髪形、どこを見ても全く同じ存在です。何がどうなっているのか、またもや頭の中が混乱に陥った彼が、周りの建物を見回した時、信じられない事実が彼を襲いました。
「ぎゃああああああああああああっっっっっっ!!!」
ナースたちが現れた道の側にあったのは、あの『病院』でした。
決してKがバイクを一切進ませていない訳では無く、むしろ猛スピードで運転していました。それなのに、道の両側に見える建物は全て全く同じ、美人ナースの服と同じようにどこかピンクがかった白いコンクリートの建物……彼がずっと楽園を満喫し続けていたあの『病院』が、何十、何百、いや何千と、バイクが進む道路の左右に現れていたのです!しかも、その全ての窓は大きく開き、出入り口のドアは開け放たれ、その全てからKの方向に向かって全く同じ声が響き、全く同じ存在が次々に溢れ続けていたのです!
「頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」頑張ってください♪」……
窓と言う窓は必死に逃げ続けるKへ向けられるナースの微笑みで埋め尽くされ、道も同じような笑顔のナースで溢れ続けました。あまりに数が多すぎて、もはや道路と歩道の境が分からないほどです。無限に現れ続ける美人ナースたちが、バイクで逃げ続けるKの後ろを埋め尽くし続けていきました。
全速力で逃げ出すバイクに彼女たちが追い付ける事は出来ないのですが、いくら進んでも道の両側にあるのは『病院』『病院』また『病院』、そして現れ続ける無数のナースと言う状況では、そんな理屈は全く意味をなしませんでした。何とか見つけた横道を抜け、Kは数限りなく現れる追手をかわそうと試みようとしました。ですが、そこも既に何千人ものナースによって全てが覆われていたのです。
「どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」どうしました♪」
「ひええええええええええええっ!!!」
脇道に向かおうにも、そこから見える全ての道は笑顔の彼女たちによって塞がれていると言う状況。どこを見てもピンク色の服を着たナースや巨大な病院の大群から逃れる術は無く、Kには必死になって大きな道を先へ進むほか道はありませんでした。
「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」「うふふ♪」
Kはバイクを駆り続けました。周りに何があるかさえ分からないまま、必死になって迫りくるナースの海から逃れるために全速力で運転し続けました。背後を埋め尽くす微笑みの渦、病院と言う病院から現れるピンク色の洪水に巻き込まれないために、それらに目を向けないまま、とにかく走りに走り続けたのです……。
「勘弁してくれええええっっっっっ!!!」
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