第20話:立脚点の移動例
立脚点の移動――カメラワーク――の例を僭越ながら書いてみます。
例文では、彼から彼女に引き渡すパターンを示してみます。
――――――――――
彼はたくましい腕を伸ばし、お皿からパンを取った。
そして、そのまま一口かじる。
中にはあんこが入っていた。
その甘さは、彼にとって思い出の味である。
「ああ、懐かしい味だ……」
彼が嬉しそうに呟く。
それを見ていた彼女も、思わず微笑んだ。
彼女は、きっと彼が喜んでくれると信じて、このパンを買ってきたのだ。
――――――――――
これは台詞を使った切り替え方法です。
「その甘さは」は彼の心情→台詞を出すことでカメラが彼から外に→そこから彼の外観→彼女の外観→そのままカメラは彼女の視線に→そのまま彼女の心情へというパスワークです。
外から内、内から外をくりかえしています。
――――――――――
彼はたくましい腕を伸ばし、お皿からパンを取った。
そして、そのまま一口かじる。
中にはあんこが入っていた。
その甘さは、彼にとって思い出の味である。
彼は、彼女に喜びを伝えようと微笑んだ。
つられるように、彼女も微笑む。
彼女は、きっと彼が喜んでくれると信じて、このパンを買ってきたのだ。
――――――――――
これは明確に動作でパスを出す方法です。
自然にカメラが、彼から彼女に移ります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます