残念な神様が多数生息!

残念な神様が多数生息!

そんな天界で大丈夫か?
恋するヒロイン女神は体臭放ち、またある女神は性欲の塊であるとして隔離。腕自慢の剣神は心と剣を折られてスイーツ作りに勤しみ(しかもオッサン)、天界最強たる女神は百合で絵心がなくすぐキレる。
裏があれば表があり、表があれば裏がある。残念、しかし何処か可愛い、だがやはり残念な神様達。

そんな彼ら彼女らに、人の身で教えを乞い(あるいは強要し…←小声)、世界を救わんと絶望的な強敵達に立ち向かう男がいる。

しかしその男こそが最も残念!徹底的なまでに慎重すぎ、慎重になるためには何者にも容赦はない。どんなザコ相手でもオーバーキル上等、チリ一つ残さず確実な止めを!歓待?はっ、罠だろ。どいつもこいつも皆敵…になるかもしれない。一寸先は闇なのだ、気付いた時にはもう遅い。敵が強い?じゃあ今すぐ挑む訳ねーじゃん、天界帰って修行だ。蛮勇で無駄死になど愚の骨頂。

疑心暗鬼なんてもんじゃねぇよ。暗い鬼なんてもんじゃねぇ。こいつの疑心に潜んでいるのは、いや潜んでいるのではない、威風堂々たる何かがいる。疑心が、疑心そのものが服を着て歩いている…!

アホらしいが、いざという時に頼りにはなるんだよな。いざという刹那の、ホンの一瞬だけは、他のどんな物語の主人公よりも格好よく輝く。ギャップだな。戦い以外の面を見れば何と言うか喜劇的で、買い物や修行の小話の度に笑ってしまう。が、それらのアホな雰囲気があるからこそ、見せ場での緊張感はより繊細に描かれる。

慎重だからといって、策を練ったからといって、常に先手ワンパンはい必勝とは行かない。如何に敵の優位を崩すか、考えて勝つ。仲間のため、世界のため、彼は死闘をいとわない。

野蛮な闘争の世界に憧れを抱く紳士諸君には是非、おすすめしたい作品です。俺様系×ダメ女みたいな恋愛要素もあるし、そういうのが好きなら淑女諸君でも割と楽しめるんじゃないでしょうか。