経緯14 4度目の植替え。ICDからS-ICDへ。その1

2010年の電池交換による植替えから、ちょうど6年目。そろそろ交換の時期かなと、旦那君と話していた頃です。

12月のある日の夜10時頃、私がお風呂に入っている時でした。突然旦那君が「ICDからアラームが鳴った」と言ってきました。そして夜12時頃にまたアラーム音が鳴りました。この時はたまたま私も傍に居て、その音をリアルタイムで聞きました。時間にして10~15秒くらいだったと思います。

植替えから6年が過ぎていたので、もしかしたら電池残量の関連かな? と思いましたが、念の為に、翌日かかりつけの病院に行きました。翌週に定期検診が控えていたので、それまで待つか悩みましたが…。


翌日、病院に行き経緯を話し、ICDのチェックと問診を受けました。その結果、どうやらリード線の抵抗値が上がっている事が分かりました。

この時に使用していたリード線は、2回目の植込みの際に新しく追加した物で、入れてから12年近く経過していました。リード線の寿命は10~15年程度と聞いており、恐らくリード線の劣化により抵抗値が上がり、ICDのアラームが鳴ったのではないかとのことでした。

リード線の劣化が考えられたため、急遽、植替え手術を行うことになりました。また、リード線が現在3本入っている事などもあり、リード抜去が可能かどうか、そちらも併せて調べることになりました。


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【リード線の劣化について】

リード線にも寿命があり、劣化が進むと心臓からの脈が正確に受け取れなくなる(ノイズが入ったりなど)可能性があり、不適切作動に繋がってしまいます。

ここ数年で、リード抜去を行える認定病院も増えてきており、抜去が必要であると判断された場合は、植え込んでいたリード抜去手術を行うことになります。

エキシマレーザーを使用した手術が主なようです。

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リード抜去可能かどうかは、通院している病院では抜去の認定病院ではなかったことともあり、ICDを植え込んだ病院で診てもらうことになりました。数年振りの、新宿の病院です。


数日後、新宿の病院にて経緯を説明し、リード抜去が可能かどうか話を聞きました。

こちらの先生の考えでは、抜去のリスクと体内に残ったままのリスクを考えると、抜去の方のリスクの方が大きい、とのことでした。

正直、ずっと体の中に不要なリードが残ったままになるのは、旦那君としては本意ではなく、取れるなら抜去したいと考えてました。私も、血栓のリスクやMRIを撮れないというマイナス点もあり、血管が若くて健康なうちに、抜去できたらいいのになと思っていました。

なので、先生のこの判断は、正直な気持ちとしては、少し残念でもありました。

リード抜去出来たら良いなぁと話していたので…(苦笑)


新宿の病院での診断結果を担当医に伝え、リード抜去は行わない方向で、植え替えを行う方針に決まりました。

また、ここ数年間の経過から、次の植え込みのデバイスは、S-ICDが良いのではないかと伝えられました。S-ICDのことは、お手伝いをしている患者会で2年程前に話題に出て、身近で植え込んでいる方はまだいませんでした。


S-ICDとICDの大きな違いは、リード線の挿入される位置です。ICDは、基本的には左胸にICDを植え込み、そこからリード線が血管の中を通って心臓の内側の筋肉に刺してあり、心臓を見守っています。不整脈が出た場合は、内側から電気ショックを用いて不整脈の治療を行うと、私の場合は理解しています。

それに対してS-ICDは、左わき腹付近にS-ICDを植え込み、そこから肋骨・胸骨に沿わせ、心臓の外側から心拍数を感知し、致死性の不整脈が出た場合はそこから電気ショックによる治療が行われます。

心臓の外側から治療を行うので、ICDと比べて2倍くらいの強さで電気ショックが入るので、痛みや衝撃は単純に考えて倍になるのだろうと思います。また、倍の強さの治療を行うには、その分バッテリーとジェネレーターも大きくなり、結果として大きさもICDの倍くらいになると聞いています。

もっと小さくなれば、違和感や体への負担も少なくなるのでしょうが、現状ですとこれが限界のようです。


初めてのS-ICD植え込み手術ではありましたが、この手の入院は4回目になるので、すっかり慣れた感のある夫婦でした(苦笑)


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