経緯06:まさかの植え替え手術~退院まで
【2日目】
手術の説明を受けました。
まず、現段階の旦那君の診断結果ですが、、『ICD皮膚圧迫壊死感染』というものでした。
ICDによって皮膚が圧迫され続けた結果、内出血がおこり、体液や膿などが溜まってしまった状態になった……といった感じでしょうか。
内出血の度合いが、予想以上に酷かったので、想定していた手術の予定などが大幅に変更されました。
当初予定した手術は、ICDの位置を移動するものでしたが、ICDを一度取り出し、内出血の度合いと術後の経過を見て、今後を決めることになりました。
この日、医師から受けた今後の対処としては、次の2つでした。
<ケース1>
内側の内出血が安定してから、今の箇所から場所をずらして筋肉下に植え込む。
<ケース2>
右側の筋肉下に、新しくICDを植え込む。この場合、リード線も新たに入れ直す。
今までは、ICDを皮下に入れてましたが、旦那君の場合、皮下脂肪が薄い&脂肪が着きにくい体質の為、筋肉下に入れないと、また同じことが繰り返される可能性があるとのことでした。
ちなみに、筋肉下に植え込みになること関しては、予想通りでした。
内出血の経過をずっと見てきたので、予感というか、覚悟はしていました。
でも、やっぱりキツかったです(苦笑)。一週間のつもりの入院が、退院未定になったのですから。
この日の帰りは、ちょっと奮発してロールケーキを買って帰りました。
辛いときや、自分に気合を入れたい時は、甘いものを摂取。私なりの、当時のストレス解消法でした。
【3日目】
手術当日でした。
時間ギリギリ滑り込みセーフで、手術室に移動する旦那君に会えました。
この日の朝、手術室に行くためにストレッチャー(この時のは車椅子っぽかったです)に乗った時に気づいたそうなのですが。
……内出血が破れてたそうです。
怖っ! シャレ抜きで怖っ! って思いました。
ギリギリセーフというか、ギリギリアウトというか(苦笑)
手術は無事に終わり、取り出されたICDをいただきました。
一年近く旦那君の命を守ってくれた、いわば『大切なお守り』でしたので、感謝の気持ちでいっぱいでした。
【4日目~25日目】
術後の回復待ちでした。
一番心配された感染症も無く、比較的平穏な日々でした。
娘が1才を過ぎ、甘えん坊モード真っ盛りでしたので、お見舞いは2~3日置きでした。
その為、行く度に両手に洗濯物や読み物などを抱え、自宅に帰ると娘を抱え、忙しかったなぁと思います。
あとこの期間に、千駄木にある大学病院へ外来診療に行きました。
当時、入院していた病院では諸事情でICDの植え込みができなくなっておりました。そのため主治医より、セカンドオピニオンを兼ねて千駄木にある別の大学病院への転院を進められました。
外来では、転院の日程の調整と、旦那君の簡単な検診を行いました。
【26日目】
旦那君をすんげー叱り飛ばした日でした(苦笑)
入院にあたり、ICD手帳も一緒に旦那君に持たせていたのですが、そのことをすっかり忘れた旦那君。
「ICD手帳、必要みたいだから明日持ってきて」と、携帯の留守録に入ってました。
あれ? 確か持たせたような気がするんだけどなぁ~と思ったので、旦那君の携帯にTELをしました。
入院中なので滅多に繋がらないので、留守録に「もっかい連絡頂戴」 と入れ、まぁ念のためと思って、自宅に帰り探しました。
えぇ、見つかりませんとも。どっこにも。
だって旦那君が持っているのですから!
その後、待てど暮らせど連絡の無い旦那君に、仕方が無いので病院に直接電話をしました。
ようやく連絡がついた旦那君に「ICD手帳は、入院時に一緒に持たせた筈だ! 探せ!」と言い、その結果、無事に見つかりました。
病室の引き出しにちゃんとありました。手帳一式。
この時、夜の9時でした。
旦那君が、次の日に転院するので、 姉の家に、娘と一緒にお世話になっていました。
娘は1歳なりたてで、私がいる時といない時がまちまちだったりして、また自宅でなくて姉の家なので環境も普段とは違う状況下で、甘えたさん全開モードでした。
それで姉も大変だったと思います。
この日は転院の手順とかもあり、午後4時位に病院に行き、6時過ぎに、姉の家に帰る途中で、旦那君からの「手帳持ってきて」電話を貰いました。
すぐに折り返し電話したけど繋がらなく、念の為に自宅に帰って……といった次第でした。
大事な事なんだから、ちゃんと繋がるまで連絡しろ! ともんのすご~く怒りました。
旦那君が、次の日に『来てもらえないのでは……』と心配するくらい(笑)
【27日目】
新宿の大学病院から、千駄木の大学病院に転院しました。
循環器のお医者様と一緒に、タクシーで移動でした。
西新宿の病院とは病室の感じが結構違っていて、(病院によって)こんなに違うんだなと、妙に関心しました。
新宿の方では、旦那君が入っていた病棟はすべて循環器内科の患者さんでしたが、転院先の方は、色んな病気の方が一緒でした。
後で聞いた話だと、循環器専門の病棟もあったらしいのですが、発作が起きた場合、どっちも同じだろうと言うことで、こっちの病室になったみたいでした(苦笑)
【28日目~30日目】
現在の旦那君の病状や、植込みに関しての話し合いなどを行いました。
ICDの植え込みについては、今まで使用していたリード線は使用せず、右胸の筋肉下に新たにICDを植込み、またリード線も新しく入れなおす事になりました。
手術の日程は、数日後に決定し、漸く先が見えたぞ! と人心地ついた気分でした。
【31日目】
ICDの植込み手術当日でした。
手術は朝一で行われ、7時頃には病院についていた方が良かったのですが、ちょっとバタバタしてしまい、若干遅れてしまいました。
病院に着いた頃には、旦那君の両親が先に来てくれていました。
旦那君の両親は、身体があまり良くない状態でしたが、前日に、病院の近所のホテルに宿泊し、朝はタクシーで来てくれました。
手術開始が7時半で、終わったのが12時近くでした。
手術は無事に成功しましたが、前回の植え込みと違い、今回は全身麻酔だった事と、筋肉下に植込んだ為、前回より痛みも酷いようでした。また、手術後にお医者様から言われたのですが、やっぱり旦那君の皮膚は、通常より若干薄かったそうです(苦笑)
とにかく、手術自体は無事に成功したので、安心しました。
【31日目~36日目】
術後の回復待ちでした。
やっぱり筋肉下に入れた為、痛みと筋肉痛に悩まされておりました。特に、筋肉痛にはかなり悩まされていたようです。
湿布を処方してもらったり、鎮痛剤を処方してもらったりしました。
それ以外には、特に問題も無く、順調に回復していきました。
【37日目】
待ちに待った、退院の日でした!
大きな荷物は、病院から駅に向かう途中にあるコンビニで発送しました。何だかんだと、荷物はやはり多くなるものですね(苦笑)
昼頃に退院したのですが、今回の手術費用も、約200万近かったです。
本当は高額医療費制度の申請をするつもりだったのですが、間に合いませんでした。
幸い、今回は旦那君の生命保険の一時金で200万円が出たばかりだったので、何とかそれで払う事が出来ました。
本当に、生命保険に入っていて良かったです。ちなみに私も、これを機に生命保険に入りました。健康な時にしか、きっちりした生命保険には入れないと痛感したので……。
自宅に帰って、旦那君も娘も、もちろん私も、ほっとしました。
【退院後】
「まさか今年も入院する事になるなんてねぇ」と、笑うしかなかったです。
仕事も、最初は1週間程度の入院予定が、またまた1か月以上になり、有給もなくなっていたのですが、もうこうなったら仕方が無いか! と妙に諦めがつき、7月20日まで休む事にしました。生命保険の特約分の保険金が少し残っていたので、1ヶ月分ならどうにかできそうでしたので……。
この時は、本当に生命保険の有り難さを実感しました。
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【高額医療費制度】
高額医療費制度とは、公的医療保険における制度で、その年に一定額以上の医療費がかかる場合、それを超えた分の費用は国が負担してくれるものです。
ICDの植え込み手術の場合、少なく見積もっても約100万円ほど掛かります(保険適応内で)。そのため、あらかじめ申請したり後日請求したりすることで、その負担額を抑えられます。
詳しい詳細や申請方法は、厚生労働省のサイトから確認できます。
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