約束は守らないと            075

75 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり

 ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あれことしの あきもいぬめり


【カテゴリ】人生、時代

【タグ】男性 貴族 平安後期 千載集


【超訳】あの約束はどうなった?

「任せとけ」って約束したよな? その言葉だけを信じてきたのに、何なんだよ。もうあの人事が決まるころだろ? どうなっているんだよ。


【詠み人】藤原基俊ふじわらのもととし

 源俊寄(74)と並ぶ平安後期の歌壇の中心人物。


【決まり字】ちぎりお(4)


【雑感】作者は息子の出世を望み、藤原忠通ふじわらのただみち(76)に頼み、忠通も快諾しました。けれども約束は守られず、出世は叶わず、あきらめの歌を詠いました。

 うーん、人事ってタイヘンですよね。今も昔も。水面下でいろいろ交渉が行われているんでしょうね。この方の息子さんの出世(昇進?)もそんな水面下の約束だったのかもしれません。定員オーバーだったのか、そもそも昇進するだけの実力がなかったのかはわかりませんが、お父さんにとっては残念な人事異動だったようですね。

 息子よ、落ち込まずガンバレよ。今はジャンプ前のしゃがんでいる状態かもしれないよ。なんてね、事情がよくわかりませんが励ましてみます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る