74　うかりける　人を初瀬の　山おろしよ　はげしかれとは　祈らぬものを

　うかりける　ひとをはつせの　やまおろしよ　はげしかれとは　いのらぬものを

【カテゴリ】男子悲恋

【タグ】男性　貴族　平安後期　千載集

【超訳】あのさあ、わかってる？

あの子とうまくいきますようにってお願いしたんだよ？　オレに冷たくあたるようになんて頼んでないよね？　神様、わかってる？　大丈夫？？？　

【詠み人】源俊寄朝臣（みなもとのとしよりあそん）

大納言経信（だいなごんつねのぶ）(71)の三男。俊恵法師（しゅんえほうし）(85)の父。

【決まり字】うか（２）

【雑感】「祈れども逢はざる恋」（神仏に祈ってもかなわない恋）というお題で詠まれた歌だそう。長谷寺の初瀬観音にお参りしたときの歌です。長谷寺は恋の願掛けで名高い寺だったそうです。今も昔も神様仏さまにお祈りするのですね。恋のこと。

　そりゃあね、うまくいくようにお願いしてもね、すべてを聞き届けてはくださらないのですよ、神様も。まぁでも、つれないお相手にさらにいっそうキツクあたられたら、神仏にも文句のひとつも言ってみたくもなるでしょうね。確かに。

　そうだそうだ、神社でお願い事をするにはきちんと自分の住所と名前を言わないといけないそうですよ。

「志望校に合格しますように」

「あの子とうまくいきますように」

　お願いごとだけ言われても、誰がどこの学校に行きたいのか、誰と誰をくっつければいいのか神様はわからないそうですよ。　

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