やっぱり秋は美しい           069

69 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり

 あらしふく みむろのやまの もみじばは たつたのかわの にしきなりけり


【カテゴリ】秋

【タグ】男性 僧侶 平安後期 後拾遺集


【超訳】着物や帯っぽくね? 

なんかさぁ、嵐が山の紅葉を散らしてそれが川に広がって、着物や帯の柄みたいじゃね?


【詠み人】能因法師のういんほうし

俗名は橘永愷たちばなのながやす


【決まり字】あらし(3)


【雑感】錦秋なんて言葉がありますよね。錦の織物のような秋。これぞ日本の秋ですよね。以前北欧を旅行したときがあちらの紅葉の時期だったのですけれど、ガイドさん曰く、日本のように紅葉もみじがないのでこちらは黄葉なんですよって説明してくれました。 確かに黄色に染まる木ばかりでした。それももちろん綺麗でしたよ。木のスケール感が日本とは違って、それはそれで見事な黄葉の景色でした。

 でもそう言われて眺める日本の紅葉はこれまた美しい。赤や朱色、橙から黄色までまさに錦の織物の色のよう。紅葉に染まる川が帯や反物のように見えるのでしょうね。17番の「ちはやぶる~」、24番の「このたびは~」にも見られた日本の秋の色。何百年経っても楽しめる幸せ。紅葉も錦の織物も。

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