他になかったの? 048
48 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな
かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけてものを おも
【カテゴリ】男子悲恋
【タグ】男性 貴族 平安中期 詞花集 恋
【超訳】岩みたいじゃん。
何度好きだって言ってもさ、そんなにつれないんじゃ、オレばっかりが傷つくじゃん。岩に砕ける波みたいじゃん、オレ。
【詠み人】
三十六歌仙のひとり。
【決まり字】かぜを(3)
【雑感】叶わない恋心の歌です。何度打ち寄せても砕け散ってしまう波に自分を例え、打ち解けてくれない女性を岩に見立てています。うん、うまくいかなさそう。波のように何度もアタックしたのでしょうね。それでも岩は砕けない。砕け散るのは自分の想いばかり。
でも、ちょっと待って。これを贈られた女性は「ワタクシって岩なんですの?」ってことになりません? ただでさえ、うまくいっていない恋なのに、岩なんぞに例えられたら気分を害しませんか? 少なくともワタシはこの歌を読んで、「え? 女性が岩?」と思いましたけれどね。もう少し他に例えようはなかったのかしら。美しくて頑なものとかに。あ、ダイヤモンド! でも、この時代には日本にはないか? うーん。あった! 氷! オレがその氷の心を溶かしてみせるよって。ベタですか? 岩よりはいいような……。すみません、三十六歌仙の方に生意気でした。
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