今も昔も悩みは同じ? 044
44 逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
あ
【カテゴリ】男子悲恋
【タグ】男性 貴族 平安中期 拾遺集 恋
【超訳】逢わなきゃよかった。
もしうまくいかなければ、キミの態度がつれないとかオレの気持ちが伝わらないとかケンカすることもなかったんだよ。
【詠み人】
【決まり字】あふこ(3)
【雑感】これも40番と41番の歌が競い合った「天徳内裏歌合」で詠まれた歌だそうです。お題は「恋」で勝ったこちらの歌だけが百人一首に選ばれています。特定の誰かを想定して詠んだ歌ではないそうです。
こんなにつらい想いをするなら、会わなきゃよかった、好きにならなきゃよかったって思うこと、今でもありますよね。未来がわかるならね、そりゃ好き好んでつらい恋愛しませんけどね。
でもね、10番の蝉丸さまの歌で、「出会った者は必ず別れる運命にある」なんてなんだか寂しいから、ワタシは「出会わなければ別れる運命にすらなれない」と思えるって書いているのですが、それと同様、「つらい想いをしたくないから恋愛しない」では寂しいような気がするのです。
うまくいくかどうかはわからないけれど、人を好きになることはきっと自分を成長させてくれることも多いだろうし、最初から恋しないって決めなくてもいいことだよね。そしてつらい恋になってしまっても、できうるなら人の所為にせず、がんばって乗り越えないとね。選択をしたのは自分なんだし、自分でなんとかしないとね、なんて偉ぶって書いていますが、第三者だから言えることなのかも。自分はぐだぐだですから。何百年経っても恋の悩みは変わりませんね。
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