SOS!                 028

28 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

 やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめくさも かれぬとおも


【カテゴリ】冬

【タグ】男性 貴族 平安中期 古今集


【超訳】いやもう寂しすぎる。

山里なんていつの季節だって寂しいかもしれないけれど、冬は最悪だよね。(寒いから)誰も来てくれないし、草木まで枯れ果てちゃってるし……。はぁぁぁぁ。



【詠み人】源宗于朝臣みなもとのむねゆきあそん

光孝天皇(15)の孫で皇族を離れて源姓を名乗る。


【決まり字】やまざ(3)


【雑感】今までのところ、寂しいといえば秋の歌ですが、こちらは冬でした。なんだかヒューっという風の音まで寂しそうに聞こえてきそうです。誰も訪ねてきてくれない。草木も枯れてしまった。冬が一番寂しいよ。

 誰か! 訪ねてあげて!! 春さん、早く暖かい風を吹かせて梅や桃の花を咲かせてあげて!!

 一体何があったのかしら。でもこんな歌を詠んだってことは誰かに救ってほしいと思っていらっしゃるんですよね。心のSOSですよ。きっと。

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