言い訳? 純情?            025

25 名にし負はば 逢坂山の さねかずら 人に知られで くるよしもがな

 なにしおはば あふおうさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな


【カテゴリ】男子悲恋

【タグ】男性 貴族 平安中期 後撰集 恋


【超訳】何か方法はない?

逢坂山には「逢う」っていう字が使ってあるし、さねかずらの名前には「さ寝(男女が一緒に寝る)」っていう言葉が入っているし、その名前のとおりなんだったら、誰にも知られずにキミに逢いに行く方法を教えてよ。逢坂山のさねかずらをたぐりよせるみたいにさ。


【詠み人】三条右大臣

藤原定方ふじわらのさだたか


【決まり字】なにし(3)


【雑感】何かしらの事情があって恋人のもとへ行けないことを詠った歌だそうです。またしても、許されない恋で逢いにいけないのか、もしくは、逢いに行かない言い訳として、だってみんなにバレちゃうじゃん、何かバレない方法ある? と逆ギレしているのか……。

 さねかずらはつる性の植物。つるをたぐりよせれば実や花を手に取ることができます。同じようにどうにか彼女に逢いたいんだ。何か方法はないのかよ、とつぶやいているのでしょうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る