ホントに命がけ? 020
20 わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なに
【カテゴリ】男子悲恋
【タグ】男性 親王 平安初期 後撰集 恋
【超訳】死んでもいい。
(密会がバレちゃって)周りに引き離されて君に会えないなんて死んでいるのと同じだよ。だったら死ぬ気で君に逢いに行こうと思ってる。
【詠み人】元良親王
陽成院(13)の第一皇子。「源氏物語」の光源氏のモデルのひとり。
【決まり字】わび(2)
【雑感】父親の陽成院(13)の政敵ともいえる宇多天皇の女御と恋に落ちてしまい、それが露見してしまい、ふたりは引き離されたそうです。いくら一夫多妻制だったとはいえ、これは一大スキャンダル。軟禁状態の下でこの歌を女御に贈ったんだとか。
この方も光源氏のモデルとされるひとりのようです。光源氏で許されない恋といえば藤壺の宮との恋ですよね。(源氏物語・若紫)実の父でもある帝の妃である藤壺の宮(今でいう後妻なので源氏の母ではない)に恋い焦がれます。光源氏も「死ぬ気」で宮の元へと忍びます。紫式部さまもこうしたお歌やエピソードから「若紫」を作られたのかもしれませんね。
映画とか小説でなら、「君に逢えるなら死んでもいい」なぁんて言われたらキュンともくるでしょうね。恋は障害があったほうが盛り上がりますもんね。第三者として眺めているならキャーキャー言ってしまいそう。若い頃なら。オバサンとしては、「ホントに? 他の人にもそんなこと言ってるんじゃないの?」なぁんて勘ぐってみたり。
この方も恋多き人だったそうです。さすが光源氏のモデル。「一夜巡りの君」なんて呼ばれたそうです。この方といい、19番の伊勢さまといい、多いですね。恋多き方。
このあとどうなったのかしら? 死ぬ気で逢いに行ったのかしら? 死ぬ気はキュンとくるけれど、本当には死なないでね。それで死なれちゃったら、ご本人は本望かもしれないけれど、残された側はたまらないわ。
それとも……別の方に逢いに行くことにするのかしら? やっぱり死ぬ気で? 一夜巡りの方なら殺し文句もたくさんお持ちなんでしょうね。贈られた方は「キュン死」されるのかしら? 本当に死なれるのは困るのでキュン死くらいにしておきましょ。
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