封鎖したいものは 012
12 天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよ
【カテゴリ】男子恋
【タグ】男性 僧侶 平安初期 古今集 恋
【超訳】まだ帰らないで!
天女のようにキレ―な舞姫たちが空に帰っちゃわないように帰り道を封鎖してくんない? もうちょっと女の子たちにここにいてほしいからさ――。
【詠み人】
仕えていた天皇の崩御後に出家。六歌仙、三十六歌仙のいずれにも選ばれている。僧侶の最高位である僧正にまでなった。
【決まり字】あまつ(3)
【雑感】「
きらびやかな衣装を身にまとい舞い踊る若いお嬢さんたちはさぞかし美しかったことでしょう。その場の空気までもが金糸・銀糸と一緒に薄衣に織り込まれたようだったかも。
舞が終わってしまうと帰ってしまう。天女のように美しいから彼女達は天上に帰ってしまう。だから帰り道をふさいでしまおう。そうしたらもう少しここにいてくれるよね?
美しい舞姫を天女のようだと例え、綺麗だ、素晴らしいと褒め称える。男性でなくともその場にいた人達皆の気持ちを代弁したのかもしれませんよね。そのわりに軽薄な感じの訳にしてしまいました。すみません。
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