美女のお悩み 009
9 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
はなのいろは うつりにけりな いた
【カテゴリ】女子恋
【タグ】女性 貴族 平安初期 古今集 花 恋
【超訳】どうしてくれるのよ?
あなたのことが好きで好きでずっと想っているのに、どうして気づいてくださらないの? 待ち続けていたら花もわたくしも色褪せてきちゃったじゃないの。どうしてくださるの? ねぇ!
【詠み人】小野小町
六歌仙、三十六歌仙のいずれにも選ばれている女流歌人。女官として宮廷につかえた。絶世の美人と言われている。
【決まり字】はなの(3)
【雑感】小野小町。有名人ですよね。世界三大美女なんて言いますよね。そうそう、その世界三大美女というのも、小野小町を入れているのは日本だけなんだとか。世界的(?)にはエジプトのクレオパトラ、中国の楊貴妃にギリシャのヘレネ、だそうです。クレオパトラも楊貴妃も歴史に登場するけれど、ヘレネは実在の人物ではなくギリシャ神話の女神だそうです。だったら日本代表小野小町を入れてあげてもいいような気もします。
世界Best3かどうかはさておき、そんなに美人で宮廷にお仕えしていたんだから、さぞかしおモテになったことでしょう。おまけに当時の教養の高さを示す和歌までこんなに優秀なんですから。皆さんで綺麗だ、素敵だ、と噂したことでしょう。
それなのに、小野小町の好きな人は彼女の好意に気づかなかったようです。
まぁ、人には好みがあるでしょうし、業平さんには業平さんの好きな方がいたようなので仕方がないことでしょうけれど、美女でも叶わない恋もあるのですね。周りが羨むような美貌と教養を身につけていて、きっと憧れの的だったでしょうに。
好きな人に気づいてもらえない。振り向いてもらえない。世界的な美女のお悩みもワタシ達と変わらないところにホッとします。降る雨を眺めながらじっくり語り合ってみたい気分。季節的に
叶うならなってみたい。皆が振り返るほどの美人で皆が感心するほどの教養の持ち主に。凡人の凡人らしい望みです。
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