「通勤電車でイラッとして書いた 」というキャッチフレーズ通り、序盤から作者の苛立ちが手に取るように伝わってきます。電車は人が多くてむさ苦しくてイライラする。説明してしまえばそれだけなのに、独特な文章に引っ張られてなぜか読んでしまう。そんな作品です。
人と人の距離が近すぎて、逆に心は遠くなっていっている気がします。それでも名前も知らぬ人と体と体をぶつけ合いながら、生きていくしか無いのです。避けては通れない満員電車の怒りと不満に疲れた人の心が少しでも軽くなれば良い……。