「褒め」のデフレ・インフレに注意する
これは、特に親や教師・管理職などの指導・助言などを行う立場にいる人にとって重要なことです。
人を褒めるということは難しいことです。人間愛がないとできないし、自分に自信がないとできないことでもあります。また、相手をよく観察していないと、的を得た褒め方はできません。
褒め方が足りないと人間関係がギスギスしやすくなります。これは「褒め」のデフレ状態です。必要があるのに褒めないことが続くと、人間関係が希薄になり、やる気や活気が低下して信頼関係が保ちにくくなります。
逆にべたべたといろんなところを褒めすぎると、本当に褒めたいところを褒めても効果が出なくなってしまいます。これは、「褒め」のインフレ状態です。紙幣を乱発して紙幣の価値が下がってしまっているのと同じように、褒めすぎたために、褒めることの効果が擦り減ってしまっています。
自分の期待・関心だけにこだわらず、子ども・生徒・部下などの特性・考え方などを幅広く冷静に見て、できるだけ主体性を尊重するまなざしを持たないと、いい褒め方はできません。
概して、否定されて育った人は伸びないことが多く、肯定されて育った人は、持てる力を十分に発揮するケースが多いものです。
指導・助言などを行う立場の人は、中立的・冷静に観察する立場を大切にしながら、肯定的な評価を適度に与えていくことが大切です。
それがうまく行かないと、部下・生徒・子どもなどが伸び悩むことが多くなり、指導・助言する立場の人も、イライラしたり怒りが生ずることが多くなります。
そうならないためには、難しいことなのですが、褒めのインフレ・デフレに気をつけることが大切です。
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