創作で銃を扱う際の注意事項(銃の特徴編)
今回は創作、主に小説等で銃という道具を登場させる際に注意しておいた方がいい点などを解説いたします。
創作向けの内容になりますので、自分はそういうことしないなーって人は、読んでもつまらないかもしれませんがご了承ください。
まず、小説で銃を出すとなると、固有名詞を登場させるか否か、これが問題になりますね。
正直なところ、漫画と違い小説は文字でしか表現できないので、外観はある程度読者の想像に任せるしかなく、そうなるとやはりまったく銃を知らない人は固有名詞だけ出されてもそれが銃であること以上のイメージがつきにくくなってしまいます。
固有名詞を出す際には、銃種によって描写を変えたい場合やその銃でなければならない場合など、他にはミリタリー系の作品だったりそういった特別な理由が無い限りはあまり固有名詞を出すのはお勧めできません。
固有名詞の後ろにアサルトライフルやハンドガンとその銃の種類を書きこむのも悪くはありませんが、知らない人は連射できる銃はみんなマシンガン、片手で持てる銃はみんな拳銃、みたいな認識を持っている人も多いですので、ある程度の予備知識がないとこの変でも駄目な場合がありますからね。
それに、いくらミリタリー色の強い作品でもできる限りは種類は少なめにしておいた方が無難かもしれません。
銃の名前はほとんどが覚えにくい数字の羅列だったりするので、銃を把握してる人でないとこの辺は覚えられない可能性も。
登場人物や組織名だけでなく、銃の名前や持ってる人まで覚えるとなると読者の負担が大きくなってしまいます。
小説ではなく、銃の名前の展覧会のような作品になってしまうのだけは避けましょう。
まあ、これは個人のやり方でどうにでもなるものですので、あくまで私の意見として参考程度に。やり方次第ではうまくまとめることも可能です。
次に、銃の特徴ですね。
銃もそれぞれ個性があります。ですから、全部を他の銃と同じように扱ってしまうと、どうしても間違いが生じてしまうんです。
出すからには、その銃についてよく調べましょう。ゲームで知ったから大丈夫、は大抵ミスの元になるので、少しでいいので銃の名前で検索をかけましょう。
いくつか間違えやすい銃の特徴を書いていきます。
・銃の
銃によっては安全装置が付いていないものもあります。
ついていない銃を持っているのに安全装置をかけた、という描写をしてしまうと、まあ気になる人は気になるレベルのミスに発展しちゃいますね。
・銃の装弾数
基本的には弾倉に入る分と銃本体に1発なのですが、オープンボルト式の銃は本体に1発分が無いのでこれもミスしがちですね。
・口径
これは最近の銃は複数の弾に対応した物が多いので、そこまで問題はありません。
ですが、大抵の銃は口径を変えるには内部や銃身をその口径に対応したものに変える必要があるので、整備なしで複数の弾薬を使うというのはできませんね。
・サプレッサーの着脱可能な加工がされているか
銃身にその加工がされているかですね。まあこの辺は描写しない限りは付けられるものとして読者も認識してくれるはずですので、そこまで気にしなくていいと思います。
・マガジンキャッチボタンなのかレバーなのか
銃によって弾倉交換に使用するマガジンキャッチがボタン式なのとレバー式なのがあります。
まあこれも弾倉変えた〜等の簡単な説明だけで済ませれば問題ない部分です。
・リロード方法。
銃によって弾倉交換の方法は異なります。
H&KのG3系の銃では、コッキングレバーを引いて後ろで固定した後に弾倉交換をしてまたレバーを戻すという方法を取りますし、M16、AR15系ライフルは弾倉を交換した後はボルトリリースボタンを押すだけでリロードが完了します。
また、リボルバーの
このように特殊な操作をする銃もありますので、出来れば動画なども参考にしてみるとより詳しく銃の特徴が調べられると思いますよ。
・セレクターの操作
主にライフル系ではセミオートやフルオートなど切り替えがセレクターで行えます。
大抵はセーフティもそこで操作できるのですが、中にはセレクターとセーフティが別になっている銃があるので、ここも注意が必要ですね。
クリス ベクターやステアーAUGなどはセーフティとセレクターが別になっているので、セレクターを回してセーフティを入れる〜なんて書くとこれも間違いになっちゃいます。
なお前述したステアーAUGに関してはセレクターそのものが無く、トリガーの引き具合でセミとフルを使い分けられます。という風にこんな特殊な銃もあるので、前もって調べるに越したことはないと思いますよ。
・コック&ロック可能かどうか
ハンマーを起こした状態でセーフティをかけ、セーフティを外すだけで即座に射撃が出来る状態のことですね。
ハンマーを起こす必要が無いので、即応性に優れダブルアクションで撃つわけでもないのでより精度の良い射撃ができます。
M1911系の拳銃では大抵これが出来ますが、ベレッタ92F系はセーフティがデコッキングレバーを兼ねているので、ハンマーが起きた状態でセーフティを操作するとハンマーが安全位置に戻ってしまいます。
そもそも安全装置が無い銃もあるので、これも注意するべきところですね。
・スライドストップの有無
拳銃ではスライドストップがついていない銃があります。
こういった銃は弾が切れてもスライドが後方で止まることはないので、注意が必要です。
扱い辛い銃として逆に創作に出すのもありかもしれませんね。
・どうすれば発射可能になるのか
何よりもどうすれば撃てるのか、これを理解してないと変な描写をしてしまいがちです。
拳銃やライフルは大丈夫でしょうが、ベルト給弾式のマシンガンやRPG等のロケットランチャーともなると、意外に操作が複雑だったりするので間違いやすいですね。
・その銃の強度、耐久性
落としても壊れないか、泥や砂を被っても大丈夫か、ですね。
これもちゃんと理解さえしておけば、逆に作中でそれを利用した描写が可能なはずです。
・どれだけの威力があるのか
まあ創作ではトンデモ威力になったりは日常茶飯事なので、リアル重視でない限り突っ込まれることはないと思いますよ。
現実でも小学生くらいの女の子が大口径の銃撃ってる動画とかもあるので、反動もそんなに気にしなくていいと思います。可愛い女の子がでっかい銃を持つのはロマンですロマン。
・隠し持てる大きさかどうか
実際に手に取ってみないと、大きさってのは意外にわからないのが厄介なところですね。
資料で見てみると意外に小さそうに見えたものが実際は結構大きくて、とてもじゃないけど女の子の身体に隠せる代物じゃなかった、なんてことも。
これも動画などでおおよその大きさを把握しておいた方がいいかもしれません。
・射程距離
有効射程がどこまでか、というのは一応確認しておいた方がいいかもしれません。
まあ、創作でなら多少誇張されたものでもいいとは思いますけど。拳銃で2?狙撃とかは異能持ちでもない限りいくらなんでも大げさすぎるのでやめておいた方がいいとは思いますが。
とまあこんなふうに、銃の特徴はそれぞれたくさんあります。もちろんこれで全部ではないですが。
何も調べないままこの銃が好きだからとぽんぽん出して書きつづけてしまうと、思わぬところで失敗してしまうかもしれません。
自分の小説ではどこまでリアルに表現しようか、どの銃をどうやって使わせようかと最初に決めておいて、いろいろ調べておいた方が安心できると思いますよ。
まあ正直なところ、創作なんですし多少現実離れしてようが別に構わないとは思っているんですけどね。
ブレザーとか着てスカートひらひらさせながら銃を撃ち合う女の子とかすっごく可愛いじゃないですか。
防弾云々とかそんなのは些細なことです。せっかくの創作なんですから固く考えずやっていきましょう。
と、いうのが私の考えでございます。
もちろん、リアルにするからこそ生まれる緊張感もありますし、そこは皆さまの作風次第ですね。
私の資料に関しても参考程度に留めておいて、鵜呑みにはせず自分の創作スタイルと貫いてください。
それがきっと、一番重要なことだと思いますよ。
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