紅旭の虹

作者 宗篤

351

123人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

本作は、ライトな文体ながら、重厚な内容の異世界戦記物である。

主人公は突如異世界に転移し、国難を救ってくれと懇願されて王となる。
後宮に務める美女・美少女がちやほやしてくれて、何もしてないのにハーレム成立。
技術レベルは黒色火薬すらない程度で、思う存分知識チートできるぞ!
まぁ異世界転移ものとしてはありふれた設定だ。

ところが、テンプレの導入部を打ち砕くように、1章をまるごと使って主人公の"やらかし"が描かれる。
1章末の主人公は、恋人に売春で養ってもらった挙句、彼女を見捨てて1人で逃げ出す、正に外道。
結果だけ見ると人間のクズといって過言ではない主人公だが、それでも善良かつ誠実な個人なのだ。
ここに、本作の魅力がある。

主要な登場人物は、時代の常識、所属集団の力学、個人の経験といった背景事情に基づいて、最適と思われる行動をとる。
2章以降、主人公に討たれていく敵たちは、奸臣にせよ、大諸侯にせよ、各々が自分にできる精一杯をやり切り、他を選びようのない流れの中で散っていく。チープなやられ役では決してない。
強力で魅力的な敵役は良い物語の必須要素だが、本作にはそれがある。

背景となる異世界は、かなりシンプルに設定されている。
日本語が通じるのは、蛮族だった現地人に高度な統治機構をもたらした初代王が日本人だったから。
人名は古代ローマ、官僚機構は中世の中華、軍事技術は三国志、後宮は平安日本あたりがモデルで、魔法や幻想生物、超科学は出てこない。
官名で分からない用語が出てきても、ググれば大抵解決できる。
チート能力も、超自然的なものは一切出てこない。精々、部下の事務処理・諜報能力ぐらいだ。

背景設定がシンプルであることは、本作において非常に重要である。
というのも、非常に多くのキャラクターが登場し、前述のように全力で動くので、話の筋を追うのにかなりの読解力が要求されるか… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

異世界召喚のみファンタジー、その後はガチ戦記モノ。

最初だけ流行に合わせたのか、それとも深い理由が有るのか、魔法も出てこないし、ファンタジー臭も最初以外しない。

何せ俺ツエーみたいな展開何て少しも、強いて言うなら運が良いぐらいしかない。

最近の流行りに唾を吐きたくなってきている方にお勧め、後歴史好きならキャラのモデルとかまで何となくわかると思うので面白さ数倍だと思います。



★★★ Excellent!!!

この物語は、本物の戦記物語です。

緻密に練りあがられた世界観、設定。
圧倒的な戦闘描写。政治の駆け引き。
魅力的な登場人物達。
それがファンタジーではなく、本当にあるかのように
現実的に描かれています。

主人公はよくある転生者ですが
特別な能力があるわけでもない、人の良い事が取り柄のただの少年です。
唯一のメリットはその世界の常識にとらわれていない事だけです。
その主人公が戦乱を治めるために、さまざまな出会いや別れ・経験を通し
成長する姿も見どころの一つです。

ここまで完成度の高い作品がカクヨムに掲載されているのに驚きました。
こんな事があるからカクヨム小説探しはやめられません。
とくかく「紅旭の虹」は一級品の小説です。

この物語が、本物の戦記物語です。