第55話 物語に数学が役立つかもしれない

本屋に行くと、サルでもわかる数学みたいな本をよく見かける。


それらは、中高の数学を噛み砕いて解説した本である。AIに殺されそうな文系オジさんの危機感の表れとも言えるだろう。かくいう私もその一人だがね。


高校に入るまでは一応数学が得意という結果が出ていた。


塾での機械的反復の成果であったが、まるで猛獣に芸を仕込むような苛烈さでそれは行われた。もちろん数学を好きになるはずもなく、その後は文系に進学することになる。


最近、アニメを観ていたら、前後のつながりを見失うことがあって、何かに似ていると思ったら、数学がわからないという感覚に近いと感じた。


数学は拾い読みが許されず、段階を踏んで学習する必要がある。物語にもそれに似た経過が必要なのだろう。数学はわからない所まで戻ればいいが、アニメは止まってくれない。無数の何故? が、積み重なる。それが限界を超えると見限られる。


それが嫌なら数学を学べ、となれば話は早い。物事の体系化は物語以外にも役立つだろう。


今の私はフェルマーの最終定理の問題の意味を理解できる(僕の妹は漢字が読めると同じくらい意味のない文章だ)。


なので、挫折しない微積分という本をちょっと読んでみた。1+1は2だよ♡と、萌えキャラが教えてくれる。


笑えよベジータ。哲学を中途半端に齧った文系は1+1も容易に信じられなくなるのだ。


先は長い。気楽に行こう。




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