第54話 火中の栗を拾わない大人

今日の昼、コンビニでタピオカを買おうか迷った。完全に流行に乗り遅れた感じだが、ご容赦願いたい。ある程度年を重ねると、はいはいマーケティング乙となるし、私の場合、斜に構えてるのでなかなか新しい事に踏み切れない場合があるのだ。


結局、タピオカは買わなかった。あのつぶつぶが映えるらしいが、未だに理解できない。


時期を逸すると、とんでもない事になるというのが将棋で学んだ教訓だ。


流行り物が流行りでなくなった時の侘しさよ。


新海誠の天気の子を観たいと思っていたが、秋になったら観る気が失せた。旬というものが作品にもあるのだろう。ジョーカーも同様だ。今年はもう映画は観ない。


火中の栗を拾うのが若者の役目だとしたらやるせないとも思う。


二代目グレタさんと思しき八歳の幼女が棒に登って「地球が大変な事になりますよ」と言っているのを見て笑ってしまいそうになるのだが、笑ってはいけないか。真剣なのだから。


気候の異常は看過できないレベルに達しているのは理解できるが、ヨットに乗るだけでは解決できない。


必要なのは根気強い折衝、芽生える友情、でもこの惨状。全ては手遅れかもしれないと大人は諦めがちである。ゴメンね、グレタ。大人ってズルいの。逃げ切ればいいと思ってる奴らばかりだから軽蔑してくれ。


火中の栗を拾わせるのはもうたくさんと思いつつ、タピオカすら手に取れない私に何ができるというのだろう。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る