第11話 授乳期の君たちへ

貴方の右頬に鼻くそついてますよ。周りの人は気づいていて、貴方のいない所で笑っています。

エンタメって何ですか。

エンターテイメントの略ということはわかるんですがね。

あまりに広義過ぎて濱野は辟易しております。

需要を喚起するってことは、ようやく最近分かってきました。

エロもそうだし、携帯のゲームも大概そうでよね。射倖心を煽るってわけだ。

手段の是非はこの際、置いとくとしても人民をおっぱい漬けにするのは良い気がしませんな。それも母乳に阿片が含まれているとくりゃ尚更。

皆さん、そんなにおっぱいが吸いたいですか。

申し訳ないけども、私はおっぱいが出ないものですから、他所に行って頂きます? 私はみんなのママにはなれないです。

と、言う決別宣言すらもエンタメの範疇に含まれてしまう、現代社会から脱走を企てる私であります。

冒頭の鼻くそ云々も、エンタメに含まれる可能性も無きにしも非ず。

げに恐るべきエンタメといふ魔物、退治する術かくありや。

ねえな。

うん、ない。

想像力と直結した脳の快楽物質は、僕らを容易に操るのです。おっぱいが恋しいとね。電車の時刻表で自家発電する人もいるって言うでしょ? やーねえ、奥さん。

じゃあ、私も誰かにおっぱいを与える役目があるのかしら。

だとしてもてめえ等にはおっぱいビンタが相応だ、クソ虫共。

だって……、阿片吸わせるの可哀想なんだもん♡

皆さんは、できるだけ地に足ついたしみったれた現実を生きて下さいね。濱野からのささやかなお願いです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る