第9話 which do you like?

一昨日だったか、テレビで映画「バケモノの子」を放映していました。

観たんですけど、今思うと特に印象に残らなかったです。

細田守監督作品は、「サマーウォーズ」と、「おおかみこどもの雨と雪」を鑑賞済みです。

細田監督好きかと問われると、首を捻らざるを得ない。

でも売れる作品を作るのが本当にうまいなあ、と感心します。商品として優れいるんですね。まあ、私には無理ですが。

今回は監督批判ではないので、このくらいで。個人的にサマーウォーズがお勧めです。

本題に入ると、バケモノの子の中で、白鯨という本が出てきます。メルヴィルという人が書いた実在の小説です。

捕鯨船を舞台に、自身の足を奪った白鯨に復讐を燃やす船長や、個性豊かな船員の精緻な描写、鯨を猟犬のように執拗に追う船の様子など、手に汗を握る展開が目白押しの海洋小説です。

内容自体に文句はないんですよ。発表されたのは、1851年。日本は、江戸時代。ペリー来航が1853年ですから、それ以前に発表されたことになります。時代を隔てても色褪せない、いぶし銀のような魅力がある作品なのです。

問題なのは、岩波文庫版の白鯨、上中下の全三冊です。A○azonレビューで、この訳がいいみたいなのが書かれていて、決めたのですが、めくってすぐ登場人物の紹介があるんですよね。

○○は、船と運命を共にする。

ん?

共にするってことは、死ぬってことか。

その他、全クルーの顛末も記載されていました。つまり致命的なネタバレが満載だったのです。

それでもやはり、面白いです。あ、こいつ死ぬんだ、可哀想に。でも銛投げるシーンが格好いいです。

カテゴリーは純文学ですから、ミステリーと違って、そこまで足を引っ張らなかったのでしょう。エイハブだけに。

皆さんは、どちらが好みですか。

商品説明だけで事足りるカタログのような商品と。

カタログだけでは、商品説明だとわからない商品。

どちらも不満でしょうが、私の答えは決まっています。

皆さんはどちらを選ぶのでしょうか。

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