第3話 産まれてから5歳までに凄いことになってる
帝歴[1d100:26]年 突如として現れた魔王軍の侵略に、辺境の集落は抵抗することも出来ず飲み込まれた。
されど、大陸を制する帝国にとっては何の痛手にもならない。多くの帝国民は魔王軍の存在を知らず、首都には噂すら届くことは無かった。
そんな中、一つの祝辞が帝都内に広まった。
現皇帝の[1d14:7]番目の嫡子、第四皇女コルネリア・ヴァン・ランパードの誕生である。
この世界に産声を上げた皇女が、実は転生者であることを知る者はいない。
それは本人を含めて同じことである。ただ彼女の手にはいつからか、手慰みのようにいくつかのサイコロが握られていたという。
それがどのような意味を持つのか、それはサイコロと運命の女神達のみが知ることである。
●
カランカラン……、と弾ける音が鳴った気がした。
・ランパード帝国のステータス(現状)
[経済]82 [資源]63 [技術]15 [人口]99 [領土]98
A:現皇帝のステータス→[3d100:75、96、5]
[武]75 [魔]96 [知]5
「脳筋じゃねーか! 蛮族国家としては正しい気がするけど、為政者としてはどうなんだこれ……」
A:帝国内の諸侯感情→[1d10:5]
1,2 下剋上しなくちゃ
3,4 領土を発展させなくちゃ
5,6 皇帝しゃま~^^
7,9 他の諸侯を追い落として出世するやで
10 独立しなくちゃ
「セェェェェェッフッ……! 共通の敵を前に内輪揉め始める人類なんていなかったんや!」
(なお火種がないとは言ってない)
「変なナレーションやめーや!」
意識的に行動の出来る年になるまで、世情はイベント形式で表示される。
「……結果しか解らないと聞かされてたから心構えは出来てるぞ。来いよ……!」
イベント表
1.魔王? 上等だオラ相手してやんよ(諸侯出陣)
2.平和だゾ(蛮族基準)
3.併合地から技術九州([技術]+1d6)
4.魔王、地方都市を制圧(国力ステ1d5、-1d10)
5.魔王、帝国民を虐殺([人口]-1d10)
6.異族間で動き在り
7.併合地から技術提供([技術]+1d20)
8.帝国の搾取に久々にキレちまったよ(各地で農奴が一揆)
9.領土開発で資源発見([資源]+1d6)
10.熱烈歓迎
帝歴26年 ランパード帝国第四皇女コルネリア誕生
[1d10:2]
魔王軍の出現の方が異族よりもたらされたが、大きな被害もなく、日々辺境の反乱などが頻発していた建国初期の経験が残る帝国に置いてはさして大きな出来事ではなかった。
第四皇女コルネリア誕生の祝辞も合わせて、世にはまだ大きな動きは無かったのである。
帝歴27年 コルネリア 1歳
[1d10:10]
「ファーーーーーーwww」
これはいけません。熱烈歓迎です。
そのとき、世が動いた
1.魔王だっけ? 久しぶりに暴れてこようかな(皇帝出陣)
2.魔王軍首都へ向け急接近
3.第[1d9:5]皇子・皇女暗殺事件
4.ふーん、魔王軍かあ。潰しちまおうかな?(討伐隊結成)
5.異族皇族入り、兄弟が増える(1d6)
6.文明開化 ([技術]+2d20)
7.魔王軍入植開始
8.コルネリア、一公国に輿入れさせられる
9.魔王、疫病をばら撒く([人口]-1d30)
10.熱烈歓迎
[1d10:6][2d20:20、13]
・ランパード帝国のステータス
[経済]82 [資源]63 [技術]48 [人口]99 [領土]98
「魔王軍ハード。……いや、安心してそれしか出て来んわ」
●
帝歴27年。それはランパード帝国にとって大きな転機であった。
大陸に覇を唱えた侵略国家として建国したランパード帝国は、その性質故に技術力、文明的には後進的であった。
生きるために必要な物資の全てを略奪で賄ってきた帝国は、全てを治める宗主国としての発展を迫られていた。
初代皇帝より着実に、定住、文明化、制度設立などの課題を膨大な人口から優秀な人材を選りすぐることで国体を整えてきたのである。
それからも異族の中で優れた技術や文明を持つ種族とは平等に近い関係を築くなどして積極的に発展に努めた。
その中でも一際優れた文明を誇ったのが長寿族だ。
彼等は閉鎖的ながら誇りを重んじる気質ゆえに、初代皇帝と現皇帝に敬意を払っていた。
今まで細々とした技術提供を行うにとどまっていたが、とある出来事が彼等の重い腰を動かした。
魔王軍出現により、対抗勢力である帝国の強化を急ぐ必要性を感じた長寿族達は大規模な技術提供を発表。
これによりランパード帝国は建国以来の技術的大発展を見せることになる。
後に[ランパードの文明開化]と呼ばれる出来事である。
●
帝歴28年 コルネリア2歳
[1d10:3][1d6:5]
・ランパード帝国のステータス
[経済]82 [資源]63 [技術]53 [人口]99 [領土]98
「帝国の文明化が止まらねえ。魔王軍ハード」
帝歴29年 コルネリア3歳
[1d10:9][1d6;3]
・ランパード帝国のステータス
[経済]82 [資源]66 [技術]53 [人口]99 [領土]98
「文明化で資源開発も進んだか……。なんでこの国に喧嘩しかけようと思ったんだ?」
帝歴30年 コルネリア4歳
[1d10:8]
「アカーン!?」
A:農奴一気の結果
1~3 鎮圧されますた
4~6 しょうがねえなあ、好景気だしちょっと緩めてやるか
7~9 一揆軍vs鎮圧軍vs魔王軍
10 山城国爆誕([領土]-1d20)
[1d10:5]
「優しい世界」
帝歴31年 コルネリア5歳
[1d10:5][1d10:10]
・ランパード帝国のステータス
[経済]82 [資源]66 [技術]53 [人口]89 [領土]98
「これはデカいのきたなあ。人口の10%虐殺て……」
A:帝国民の反応→[1d10:7]
1~3 怖いわ~。戸締りすとこ(対岸の火事)
4~6 許せねえよなあ?(おこ)
7~9 無事に帰れると思うなよオラ(激おこぷんぷん丸)
10 報復しなくちゃ
「まあ、当然っちゃ当然か。しかしこれ、成長したら絶対に従軍させられそうな世情に傾いて来てね?」
●
建国以来の好景気に浮かれ騒ぐ中、地方による一揆が発生した。
皇帝は鎮圧後、すぐさま首謀者を処断し、その後の領地での減税と恩赦を公表。好景気の波に乗れなかった地方の不満を抑えることに成功した。
すれ違いによる悲劇は産まれたものの、この出来事を乗り越えたことで現皇帝への支持はさらに高まりを見せた。
しかし、そんなときある一つの凶報がもたらされた。
魔王軍による大公国の滅亡である。
帝国の属国となった後も、人口の10%を抱える巨大一領邦として栄えた地方の最後に、それまでのお祝いムードはすっかり下火となった。
変わりに帝国民達の胸に宿ったのは暗い激怒であった。
せっかくの良い流れをぶち壊した侵略者に目にものを見せろ! と帝国中が戦争ムードへと突入したのだ。
帝歴31年。ランパード帝国は再び時代に突き動かされ始めたのだった。
●
「やべえよ……やべえよ……(震え声)」
何処かの後宮の部屋の中。そんな呟きを漏らす幼女が居たとか居ないとか。
それとは別に、世の中は動き出すのであった。
転生者は運命をある程度操れるようです @enkid-writter
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