第248話 同じA型事業所でも
今のA型事業所に通うようになって1か月が過ぎ、明日まで4日間の夏休みを過ごす。
仕事内容は前のトコロとそう大きくは変わらないが、事業所ごとに雰囲気や方針は違うと知った。
今のトコロは、成果に厳しい。
納期や仕事のクオリティに対し、非常にピリピリしている。
前のトコロはその点に関して、とてもゆるくてぬるかった。
それは、和気あいあいと誰もがマイペースに(マイペースと言うのは必ずしものんびり、という意味ではなく、本当に個々人のペースで、という意味だ)作業が出来る環境と空気を作っており、決して悪いことだけではないのだが。
だが、会社が労働者に成果を正当に求めるのは本来なら当然のことだ。
だた、俺はA型事業所をそこしか知らなかったから、どこの事業所も同じだと思っていた。
違った。
とは言え、今のトコロは成果に厳しいだけではなく、その厳しさをちゃんと個人の給料に反映するシステムがある。
元々が最低時給の賃金で、上乗せで反映される金額も正直微々たるものではあるけれど、個人を評価してくれるのは1年前に比べて賃金が発生する作業をすることに慣れてきた俺にとってはありがたい。
そういう意味で今回の転職は非常に運が良かったと言えるだろう。
同じA型事業所というくくりの中で福祉的環境に守られつつ、労働環境は比べればわずかだが一般就労に近く、ステップアップした実感が持てる。
A型事業所にいつまでも通い続けるのは本意ではないが、障害者枠でさえいわゆる普通の一般企業で働くにはまだ大きく不安感がある現状だから、先のことは一旦置いて、今ある環境の中で頑張っていこう。
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