第167話 風邪気味なので
本日、かかりつけのお医者に行ってきた。
そのお医者は、カウンセリングやメンタルヘルス科のある大学病院と同じ最寄駅にある耳鼻咽頭科で、昔からお世話になっているのと、今住んでる街に引っ越してきてから10年近く経つのだが、地元の病院を知らないため、午後から電車に乗って行ってきたのだ。
15時から受け付け開始の病院に、たどり着いたのは15時ちょっと過ぎ。
だったのだが、その時点で病院の待合室は小さなお子様連れでにぎわっており、俺の順番は21番だった。
待合室で既に嫌な予感はしていたものの、まだウォークマンで防げていたから、何とか我慢していたのだが。
俺が診察室に呼ばれたとき、先客は保育園に通っている双子だった。
2人とも中耳炎らしく、治療されてぎゃん泣きしていた。
怖かった。
俺の診察はさくさく終わったものの、霧状の薬の吸入をしていた時に、次に呼ばれて入ってきたのはやっぱり保育園に通っているお子様で、こちらも中耳炎。
診察台で、ぎゃん泣き。
泣きたいのはこっちだった。
吸入がなかなか終わらないから、ホントに涙目になっていた。
吸入が終わって、這う這うの体で診察室を出て、会計を済ませ薬局に行った。
いつもの薬局を外から覗いたら、中に小さなお子様が居たので、普段使わない別の薬局に入った。
入った時には子供はいなかったのだが、後からわらわらと入ってきた。
失敗したと思った。
怖かったので、相方にメールした。
相方からは、薬剤師さんに後から取りに来るように伝えて外に退避しなさい、と返事が来た。
その通りにしようと思って、薬剤師さんに話しかけたら、「じゃあ急ぎますので少々お待ちください」と、斜め上に気を使われた。
違う、そうじゃない、今この空間がダメなんだ。
だけど、いっぱいいっぱい過ぎて、それが言える状態ではなかった。
ヘロヘロしながら数分待って・・・その数分はべらぼうに長く感じたが・・・ようやく呼ばれたと思ったら。
「お久しぶりですけど、今何か飲んでる薬はありますか?」
呑気に訊かれた。
「お薬手帳出したんですけど、見てませんか?」
俺の声は、ちょっと冷たかったかもしれない。
担当した薬剤師のおじさんは、慌てたように「ああ済みません」とお薬手帳を確認し。
「今飲んでいるお薬で、何か体調が悪くなったりすることはありますか?」
と聞いてきた。
多分その辺の一連の流れは、マニュアルなのだとは察するが、俺は薬局内の喧騒で、とにかくいっぱいいっぱいだ。
「大丈夫です。」
精いっぱいの「大丈夫です」だったのだが、全然大丈夫には見えなかったのだろう(そりゃそうだ、状況が大丈夫じゃないのだから)
「気分にムラが出たり、夜眠れなかったりとかありますか?」だの、「以前より処方薬減っているので、良くなってきてるんだと思いますよ?」だの、「お酒やタバコは如何ですか?」だの「今日の処方薬との飲み合わせも心配はありませんから」だの、そんなの百も承知だよ、何でも良いから早く薬出してくれよ(泣)という状況に。
おじさんは丁寧に、風邪薬の説明もしてくれていたようだけど、そんなの耳に入ってこず、とにかく一刻でも早くここから出たい、会計済ませたいから金額を教えてくれ、そんな気持ちでいっぱいで。
だけどそれを伝える気力は無く。
薬局を出てから、我慢できずに仕事中の相方に泣きついた。
相方は「お疲れ様。もう大丈夫だから、気を付けてお帰り?」と言ってくれた。
帰宅時は、ぎりぎり17時前だったので、まだ帰宅ラッシュには巻き込まれずに済んだけど、学生さんの集団は如何ともしがたく。
病院の往復だけで、へろへろになったし、帰宅後も暫くはぐったりしていた。
とはいえ、電車に乗る距離でも、かかりつけのお医者は腕も良いし、長く付き合っているから説明も短くて済むし、診察を受けるには楽なのだ。
薬局も、いつもの薬局なら慣れているので、余計な消耗はしなかったと思う。
これからはインフルエンザも猛威を振るう季節だ。
風邪も悪化させないように、余計な病気にもならないように、気を付けよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます