第152話 帰宅ラッシュ
先日、友人と3人で食事に行った。
別の友人がTwitterで絶賛していたお店で、そこまでベタ褒めするなら、行ってみようと思い有志を集ったところ、平日でしかも急だったにも関わらず3人揃ったので行って来たのだ。
本当は4名~予約可能と書いてあった、丸ごとカボチャのリゾットも、3名で予約できたし、何を食べても美味しくて、幸せだった。
ただ、手配してくれた友人が設定した予約時間は19時半。
お店に行くには電車に乗る必要があって、ちょっと嫌な予感はしていたのだが、果たして予感的中。
2年半ぶりの帰宅ラッシュに巻き込まれた。
駅改札で待ち合わせしたのだが、電車が到着する度に、どわっと押し寄せる改札から出てくる人の波は、震え上がる位恐ろしく。
自販機の横にへばりついて壁を向き、ひたすら足元だけを見ながら、友人2人が迎えに来てくれるのを泣きそうになりながら待った。
友人たちが改札に来てくれて、合流してからの開口一番は。
「こえーよっ!!」
だった。
友人に手を繋いでもらい、ガクガク震えながら心臓バクバクさせつつ、何とか耐えていたのだが、あれがもっと長い距離だったら耐えきれなくて失神していたかも知れない。
駅にして4駅ではあったが、とんでもない時間と空間だった。
俺にはまったく余裕がなく、言われるまで気付かなかったのだが、手を繋いでくれていた友人がリードしつつ、もう1人の友人は周りをガードしていてくれたらしい。
ひたすら下を向きながら、足を動かすだけで精一杯だったので、全然知らなかった。
ガードしていてくれた友人は、実は会うの2度目で、俺の事情もどこまで知っているか判らなかったし、事前に特に説明もしなかったのだが、本当に良くフォローしてくれた。
ありがとう。
目的のお店は、これまた知らなきゃ一生知らないような立地にあって、良く紹介してくれた!と思った。
何を食べても美味しくて(大事なことなので2回言った)カボチャのリゾットも勿論美味しくて、支配人さんとお話できたり、お店の雰囲気もすごく良く、また行きたいし誰かに紹介したくなる素敵なお店だった。
何よりも、メンタルぎりぎりを攻めてきた人混みを乗り越え、食事が出来たことには、我ながら驚いた。
満員電車中、美味しいご飯が待ってるから頑張れと励まして貰いながらの移動中は、とにかく気持ち悪いほどだったので、これから食事とか無理だわ!と思っていたのだが、駅から程よく離れていて、ほぼ誰ともすれ違わないような立地に、逆に助けられた感はあるものの、ちょっと前ならそんな状態では食べられなかったから、食べられた上に味が判るどころか談笑まで出来て、本当に回復してきているのだなと。
その日は、サイレース(相当)を0.75mm飲んで寝た。
経験則から、3~4時間の睡眠を予想していたのだが、心身ともにとても疲れていたらしく、久しぶりに8時間睡眠の上に夕方まで眠いと言う、通常時のサイレース1mm投入と同じような状態になった。
同じ時間に行きたいかと言われたら、正直ごめんこうむりたいが。
お店には、また行きたい。
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