第151話 先の事を考えて
唐突に、先の事を考えてみたら、考えているうちに不安になってきて、それから何だかよく判らないけど怖くなって、動悸は早くなるわ震えるわで、あぁまだ先の事を考えるまでには回復していないのだなと実感した。
昨夜も睡眠導入剤の投入にしくじり、ほぼ眠れなかった。
朝4時過ぎに諦めて、残っていた仕事をしていた。
午前中には二胡教室があったから、それには間に合わせたけど、1時間ちょい寝落ちし。
教室から帰って来てから、夕方まで昼寝した。
本当は、今日は昼間、水族館に行こうかなと思っていた。
年間パスポートを買ったのに、まだ1回しか行ってないから、仕事量的には無理がなかったので、2回目行くのに丁度良いかなと思ったのだが、寝不足で怠いのでやめた。
その辺りから怪しかったのだが、過去を振り返れば2年半前と今で、明らかに回復しているので、少し先の事を考えてしまったのだ。
これは、まだそのタイミングではなかったのかも知れないが、どちらかと言えば考えるにはコンディションが悪かったのだと思う。
平たく言うと、考えて、不安な未来しか見えてこず、途中で考えるのはやめたものの、不安感が残ってしまった。
残った結果、少しパニックになった。
少しで済んだのは、ささやかながら身につけた自己防衛機能、すなわち「考えるのをやめる」が出来たからで、それはそれで回復している実感は持てたのだが。
いつまでも病人で居たくない。
でも、いつ治るのか判らない。
時間だけが平等に流れていく中で、この先の俺には何が出来るのだろうか。
そんなことを考えたら、不安になったのだ。
考えたのは出先で、相方も一緒に居たから、何だか怖くなったと訴え、帰宅した。
帰って来てからも引きずって、ワケが判らない状態になって、相方に泣きついた。
先日買ったうつ病の本に、回復してきている本人が、病人状態の環境を気に入ってしまい、治ることに対して躊躇ってしまうことがある、と書いてあった。
俺はぶっちゃけ、現状をとても気に入っている。
だから、その文面に該当しているのではないか?と。
もしそうだとしたら、支えてくれている数えきれない大勢の人たちに対する裏切り行為に当たるのではないか?と。
ならば、自らを奮い起たせなければ、と思ったのだ。
結果、パニックを起こしかけたと言うか、軽くパニクったと言うか、そんな状態に陥ったので、まだ早いんだな、あるいはタイミングが悪かったのだな、と言うのは判ったのだが。
俺はまだ、病人だった。
ここのところ元気だったから、油断していた。
今もまだ、胸が苦しいが。
気持ちを切り替えて、今夜の睡眠導入剤の調合を考えなければ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます