第116話 情報が処理しきれない?
これはヤンデレてる友人に言われたことなのだが。
「俺さん、情報が処理しきれてないから、いろいろ怖くなっちゃうんじゃない?」
どういうことかと言うと、彼いはく。
俺が今怖いと感じている人混みや音などの、視覚&聴覚情報について、多くの人は無意識に、自分に関係のない不必要な情報と必要な情報を瞬時に判断して処理しているが、俺にはその能力が著しく低下していて、すべての情報を拾ってから仕訳していくので、処理が情報に追いつかず、都度パニックになってしまうのではないか?ということだった。
そうかもしれないな、と思った。
例えば雑踏の中で誰かと会話をするとき、多くの人は無意識に必要な「声」をクローズアップして拾うことが出来るだろう、実際、病む前の俺もそれができていた。
ところが、今は確かにそれが出来ない。
必要な「声」を意識しないと、すべての音を拾ってしまう状態なのだ。
この説明で伝わるか判らないが、いわば、一昔前の録音機に近い。
そして、クローズアップしなくても否応なしに聞こえてくる大きな音、救急車の音や子供の喚き声など、これはいわばいちいち不意打ちに近いので、都度びっくりしてしまう。
そのため、不安感を抱いてしまっており、結果、「大きな音が怖い」につながるのではないか、との分析だった。
逆に、ライブなどの人混みや大きな音が大丈夫なのは、大きな音や観客の人混みをも全部ひっくるめて「ライブ」なので、人混みにも大きな音にもクローズアップしているから、それは不意打ちにならないので怖く感じないのだ、とも。
とても合点がいった。
とはいえ、だからと言って対処法までが判ったわけではないのだが。
ただ、俺なりに、「そうかもしれない」と思えたことは、多分大きい。
あくまで素人判断な上に可能性の話だが、それを仮定に対処法が探せるからだ。
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