第105話 うつに関する本を買ってみた

第90話で、自己判断はやめた方が良いと書いたが、今日おもむろに、うつに関する本を1冊買ってみた。

買って、2時間弱で読破した。


その本は、どちらかと言うと、「うつ病患者が周りにいる人」向けに書かれていて、以前手に取った本よりは客観的だなという印象を受けた。


内容としては、絶賛うつ病患者の俺からすると、薄い。

と言うか、当たり障りのないことが書いてある。

それでも、成程なと思う文面があった。

それは社会復帰に関することで、「職場はリハビリの場所じゃない」と言う一文だった。


丁度、近くの本屋がアルバイトの募集をしていたのを見つけたので、本屋のバイトなら出来るかもしれないと少しだけ思っていた俺だが、その一文を読んで、目が覚めた。

まだ無理だ。

本屋は働き手が欲しいのであって、俺が社会復帰するためのリハビリの場所じゃない。

親に連れられて小さな子供だって来店するであろう本屋で、子供の声でいちいち耳を塞いでいたら仕事にならないし、そんなバイトは要らないだろう。


また、「うつが治るということは、元に戻るのとは違う(意訳)」と言うのも、唸らされた。

確かに、うつになって、考え方や物の見方など、変わったことがある。

少なくとも、こんなに自分自身について考えることなど罹患するまではなかった。

いつになるか判らないが、治った俺は、罹患する前の俺とは、またちょっと違った人間になっているのだろう、そんな気がする。

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