第97話 相方とじっくり話す
第96話に引き続く話になる。
夜遅くに帰ってきて、度々早く出かける相方と、じっくり話すのは時間的に難しい。
それでも、昨日はどうしても話がしたくて、付き合ってもらった。
このエッセイの中で、「俺がヤンデレている友人」がしばしば登場する。
彼は、今の俺にとって、欠かせない大きな存在だ。
と同時に、本来だったら、ヤンデレている友人を介さず、相方とお医者先生とカウンセラーさん、あとたくさんの友人に助けてもらうのが、理想ではないか、と考えてはいる、常々。
ヤンデレている友人は俺と相方の共通の友人で、と言うか友人たちのほとんどが共通なのだが、飛びぬけて大きな存在になってしまった彼も、他の友人たち同様、それぞれ多少の程度こそあれ、基本フラットな位置付けになるのが好ましいのではないか、と思っている。
そして、相方もまた、それを望んでいるのではないかと考えていた。
そのためには、我儘かも知れないが、相方に「俺がかけて欲しい言葉」を言って貰う必要があるのだが、相方は良くも悪くも正直で、思ってもいない言葉はかけられない。
欲しい言葉がもらえないことで、そこに、俺は溝を感じてしまうし、意識がすれ違っている、と悲しくなってしまうのだが、ヤンデレている友人は、どういうわけか判らないが、俺が無意識にそのときに望んでいる言葉をかけてくれる。
だからどうしても、我慢できなくなったときは安直に頼ってしまうのだ。
上記を相方に話したら、「勿論そうできたら理想だけど、僕1人では無理だから、頼れるものは頼ってしまえ(意訳)」との答えが返ってきた。
実は予想外だった。
いや、実際に以前から、「頼らせてくれる人には遠慮なく頼れ(意訳)」と言われてはいたのだが、本当は嫌なんじゃないかと、俺はずっと思っていたのだ。
だから、溝に感じてしまう部分を普通に埋めてくれる「ヤンデレている友人」抜きに、相方と俺とのお互いで埋めたかったし、常々そう思っているということをカウンセラーさんにも話してきていた。
だが、相方は「そんなのは溝じゃない」と言い切った。
そして、その上で「頼れるものは頼れ(意訳)」と言った。
ただ、「友人はたくさんいるのだから、ヤンデレている彼以外の友人にも、もう少し頼ったらどうか」と提案はされた。
成程な、と腑に落ちた。
多分、緊急時にはヤンデレている友人を頼ってしまうだろう。
でも、そうじゃないときは。
他の友人に話を聞いてもらうのも、また違った視点から俺を見てくれているわけだから、良いのかもしれない。
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