第98話 社会復帰について

社会復帰そのものは、まだ当分難しそうだが、俺は今まで、仕事と私事を完璧に分けていた。

だから、給料さえそこそこ良ければ、仕事は何でも良かった。

何でも良かったので、割といろんなことをした。

途中で飽きたら職を変えていたので、履歴書はちょっと凄いことになっている。

今、たまに目にする求人募集でも、これなら今でも出来るかな、と思うものに目が行きがちで、その仕事内容には拘りはない。


ところで、病んでから暫く経ってから、と言うかわりと最近なのだが、「どこかで誰かの役に立ちたい」と思うようになった。


今、目先の求人情報に飛びついても、「どこかで誰かの役に立ちたい」と言う思いが仕事内容に直結しなかったら、後悔しそうな気がしている。


仕事を選り好んでいる余裕など、年齢的にもないのは百も承知で、今は贅沢とも言っていいような「やりたいこと」が出来てしまった。


いつになるか判らない社会復帰ではあるが、「どこかで誰かの役に立つ」ことが出来たら良いな、と漠然と思っている。

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