第93話 線路沿いを歩く

大した距離ではないのだが、先日の雨の日、線路沿いを歩くことに挑戦してみた。

この線路沿いは、病んでからも歩けたところで、ショッピングモールへの近道になる。

(最寄駅までの線路沿いは、かつてやむを得ない理由で1度歩いたが、とんでもないことになったので、以来挑戦していない)


雨が降っていたので、傘で線路が見えないように視界を塞ぎ、聴覚もウォークマンで塞ぎ、ついでに投薬した上での決行だった。

結果、吐かずに歩けた。


聴覚は完全に、視界も半分塞ぐため、あんまりいいやり方ではなかったかも知れないが、逆に言えば妥協点としてそれが精いっぱいだった。


先日歩けたので、本日、また歩いてみた。

今日は良い天気だったから、日傘を持って行った。

日傘は雨傘より小さく、視界を塞ぐ範囲は狭くなるが、あるのとないのでは大きく違う。

聴覚は相変わらず完全に塞いだ状態だったが、視界の端には線路が見える。

怖かった。

足も少しすくんだ。


だが、前方に可愛らしい犬と散歩をしているおじさんが居た。

犬に意識を集中することで、吐かずに歩けた。

ただ、犬しか見てなかったから、横道から出てきた車に気付くのが遅れ、ちょっと接触事故を起こしそうになった。

車が全然スピードを出していなかったのと、すぐに止まってくれたので、事なきを得たが、やはり視界を塞ぐ&前方の1か所しか見ないで歩くのは危険だったかもしれない。


今後は気を付け・・・・たいとは思うが、言い切れないもどかしさがある。

線路沿いを避けるなら勿論気を付けられるのだが。


それでも、「出来ない」ばかりでは先に進めないから。

どうにかこうにか工夫して、挑戦し続けるのだ。

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