第32話 相方のこと
おもむろに惚気る。
この連載を読んだ相方から、「自分の扱い酷くない?(意訳)」とクレームが来たので、そんなことないよと言う話を。
唐突に俺がうつになったことで、右も左も判らないまま、相方はさぞ戸惑ったと思う。
戸惑いながらも、だが、寄り添ってくれていたし、助けてくれていた。
・・・当初から暫くは俺にまったく余裕がなくて、そのことにまったく気付かなかったのだが。
例えば、通院。
電車に乗れない俺が通院するに当たり、(4週間に1回なのだが)その日は会社を休んで車で連れて行ってくれたり。
この2年間、毎回休みを取ってくれている。
また、電車に乗る練習をするのに、付き合ってくれたり。
いろんな音が怖いと訴える俺に、ウォークマンを買ってくれたり。
些細なきっかけでも場合によっては大パニックを起こす俺を、都度支えてくれたり。
相方と結婚し、ちょうど10年になるのだが、この2年は激動の2年だったと思うし、今後もどう転ぶか判らない。
それでも、「ずっと傍に居る」と言い切ったし、実際傍に居てくれている。
可能な限り、出来ることは最大限手助けしてくれている。
「家族だから当たり前」と、さも当然のように言ってのける相方の言葉は、育った環境から、「家族だって所詮は他人」だと思っている俺には、とても珍妙な言葉に聞こえてしまうのだが、相方にとって、俺を支えることは本当に「当たり前」のことなのだ。
これには本当に頭が下がるし、感謝しかない。
ありがとう。
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