第22話 要求をすべて飲む必要はない
21話にちょっと引き続く話でもあるのだが、これは当人ではなく、罹患者の周りの人にぜひ知ってほしいことでもある。
タイトルの通りなのだが、具体的にカミングアウトされて、だからこうして欲しい、と言われても、自分には出来ないなと思うことなら無理してすることはない。
そして、出来ない旨を伝えればいい。
俺は具体的に知ったうえで、普通に接してほしいと願った。
運よく、ほとんどの人が快諾してくれた。
その上で、ごめんやっぱりNGワードがあるから、この言葉(もしくは事柄)には触れないでくれ、とも言った。
やっぱり、ほとんどの人が快諾してくれた。
更に、出かけたいが難しいので送迎してくれ、と頼んだこともある。
これも快諾してもらえた。
これは本当に運が良いことだと思う。
だが、ヤンデレさせてくれている友人に無茶な要求をして、断られたこともある。
それでもいいのだ。
断られたときは、断られるだろうなと思いながら言ったものの、それでもやっぱり少し悲しかった。
だけど、同時に嬉しくもあった。
その友人は、「普通に」接してくれたのだから。
無理なものは無理と、はっきり言ってくれた。
相方にもそうだ。
ある要求をして、無理だと言われたことがある。
それはそれで、やっぱり悲しくはあったけど、無理しないで普通に接してくれている証でもあるので、受け入れることが出来た。
なぜなら、俺自身が、普通に接してほしい、と前提で願っているからだ。
俺の知らない他の罹患者の人が、他人に何を望んでいるかは俺には判らない。
それでも、おそらく「普通に接してくれること」を望んでいるのではないだろうかと思う。
普通でいいのだ、無理はしてくれるな、出来ないことは出来ないと断ってくれて良い。
それが、結果的にお互いが幸せになる道なのだ。
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