第16話 出来なくて当たり前だと思うこと

二胡を始める前後から、今まで出来ていたのに・・・と言う思いが少しずつ薄れ、今は「病気なんだから出来なくて当たり前」なんだ、と思えるようになっていました。

これには、おそらく周りの環境が良かったこと、お医者先生を筆頭に相方をはじめ、支えてくれる、普通に接してくれる友人たちがたくさん居たおかげ。


今までそこに触れてこなかったけれど、本当に周りに恵まれていて、鬱だとカミングアウトしたタイミングも早かったんだが(8月には周知していた)それを受けた友人たちの中には、「実は自分もうつ病だったことがある」と教えてくれた人も居たし、そうでなくても、普通に接してほしい、と言う要求に対し、皆快く応えてくれていた。


これは実は、とても重要なことで・・・あくまで主観ではあるものの。

周りに理解者が居る、あるいは理解しようとしてくれている人が居る、支えてくれて、協力してくれて、そういう人たちが近くにいる、それだけで、安心して治療と自分に向き合えるのだ。

そして向き合った時に、「出来ない今」を受け入れられること、それが多分、重要なんだと思う。


俺の場合は、そこから1歩斜め上に飛躍して、「出来なくて当たり前なんだから、新しいことを始めたとしても、それが上手くいかなくたって当たり前」と言う思考になり、二胡を始めることにしたのだが。


始めた二胡は、難しかった。

ただ、それと同じくらい、楽しいと思えた。


何もできない、で立ち止まっていたら、本当に何もできないけれど。

何もできないんだから、出来なくて当たり前なんだから、出来ないことをやってみようと思えたら。

1歩、すすめると思う。

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