第11話 コンテナ大改造(中)

 これを書くまで知らなかったのですが、『日本ドリルねじ協議会』というものがあるのですね。いや、だから何だという事でもないのですが、『日本ねじ協議会』ではなぜ駄目だったのかと。て言うか『一般社団法人日本ねじ工業協会』というのもあるのですけど、どういう関係なのでしょうね。それが気になって。


 あと『日本ねじ研究協会』なんてのもありますね。ねじ作ってる人たちはこういう組織を作るのが好きなんでしょうか、傾向として。でももっと調べてみると「日本ねじ工業協会と日本ねじ研究協会 新年賀詞がし交歓会を開催」なんてニュースも出て来るので、ドリルねじ協議会だけが仲間はずれなのかな、とか、あまりにもどうでもいい事ですね、そんなの。失礼しました。


 さて、ドリルねじを買って戻ってコンテナ改造工事の再開です。ドリルねじを何に使うかと言えば、柱の壁への固定です。まず内側から、角材の真ん中をドリルねじでコンテナの壁面凹部に固定します。この状態ではねじの先端がコンテナの外側に見えている状態です。


 このまま外に回ります。で、今度は外側から上と下の2箇所ドリルねじを締め、角材を固定します。次にまた内側に戻り、柱の真ん中に打ったねじを抜きます。最後に、真ん中に開いた穴を使って、外側からドリルねじを締めます。これで柱はドリルねじで3箇所締めつけられて、しっかり固定されました。このやり方で十数本、壁に柱を固定しました。本当はもっと沢山やりたかったのですが、体力と精神力の限界で。大工さんは大変だなあ、とつくづく思いました。


 とにかく、これで壁面の柱は出来上がりました。次はここに横木を張ります。これは簡単です。単に角材を上中下と3本横に打ちつければ良いだけですから。問題はここからでした。


 理想的には、まず壁面を仕上げ、その上で次の段階に進めれば良かったのですが、この時点でもう毎晩硬くて狭いユニットハウスの床で寝るのに疲れてしまっていましたし、鳥たちも一週間ケージから出せていませんでした。早急に何とかしないといけない、そう思った私はまず鳥たちのケージを置く棚をかける事にしました。


 構造はシンプルに、壁面側は壁掛け棚に使われる鉄製のL字型の棚受けを壁面の柱にねじ止めし、もう片側は四角い切れ込みの入ったパイン材のラック支柱を立て、その間にパイン材の棚板を渡します(全部ホームセンターに売っています)。


 これを左右2箇所作り、それぞれ棚板の間に角材を3本渡し、更にその上に石膏ボードを乗せ、大きな棚としました。これで鳥のケージ棚は出来上がりました。そして古道具屋で買って来たベッドをこの棚の下に置き、自分の寝床も作りました。この文章も、その寝床で書いています。


 このときユニットハウスから電源を引っ張って来て天井に照明器具も設置しました(実は私は第二種電気工事士の資格を持っているのです。電気関係全然強くないのですけど)。あとは簡易にコンセントを作って、一気に家っぽくなりました。


 でもまだです。まだ肝心なものが足りません。そう、エアコンです。鉄の箱たるコンテナは熱伝導率が高く、寒い時には外気温と同じ温度に、そして暑くなれば室内温度は簡単に40℃を超えてしまいます。だからエアコンの設置は必須なのです。


 私は近所の家電量販店に走り、エアコンを注文しました。でもこのとき私は大切な事を見落としていました。20フィートコンテナの内側の広さは大体8畳くらい。そこで私は8畳間用のエアコンを買ったのですが、普通の家の中の部屋に比べてコンテナ内部の環境は過酷です。ですから性能は余裕を持って選ばなければならなかったのに、この時の私はそこまで頭が回りません。値段だけを見て決めてしまいました。案の定、このエアコンは3年ほどでオシャカになってしまいました。


 さあ、鳥たちのケージを置く場所は出来ました。寝床も出来ましたし、エアコンも注文しました。室内で残す所は壁面の仕上げ、そして天井です。


 壁面は断熱を考えなければなりません。いかにエアコンがあったとしても、壁面が鉄の板き出しでは効果は半減するからです。そこで断熱材が必要になるのですが。続きは後編にて。

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