うるさい客

@kitagayumu

突発的暴力

俺はイライラしていた。俺は元々イライラしやすい体質で、インターネットで見たところ俺がイライラするのは俺の脳に原因があるらしい。つまりこのイライラは俺にはどうしようもない。

「ほい」客が商品のオニギリをレジカウンターの上に投げてきた。レジ打ちのバイトをしている俺はオニギリのバーコードを読み込む。

「あと150番」俺はタバコの棚からメビウスを取り出して売った。客の顔を見た。客はなぜかニヤついていた。俺は商品を袋にいれた。

「はやくせえや」客は見下した声でそう俺に言ってきた。一瞬俺の手が固まった。俺の心臓が高鳴り、客の顔を見た。客は俺をニヤニヤして見下していた。俺は思わず店の壁を蹴った。

「は?何その態度」そう言われた瞬間、俺は客を殴りつけた。客はよろめいて数歩後ずさった。俺はとんでもないことをしてしまったと思って全身が硬直したが、もう後戻りはできないと思い、レジカウンターの外に出て客を蹴り上げた。「おい、何やってんだ!」他のジジイが俺を怒鳴りつけたが、俺はさらにその客の顔面に膝蹴りを入れた。「くごっ」という変な声を出して客は鼻血を吹き出した。俺は文房具の商品の棚からカッターナイフを見つけ、封を開け、中から取り出したカッターの刃をギリギリと押し出した。客は最後の力を振り絞り必死に逃げようとしたが、何とか押さえつけ、そしてその柔らかい腹部にカッターの刃をスルリと突き刺した。そして横に引き裂いた。白い床に赤黒い不健康そうな血液がドバドバと溢れる。俺はカッター持ったまま手を客の腹の中に突っ込んだ。腹の中はヌメヌメとしていて暖かく、まるで大きなカエルの口の中に手を突っ込んだような感覚だった。内臓のようなものを見つけ、それを引き出してみた。どうやらそれは大腸だったらしく、下痢のような糞が大量の血液とともに飛び出した。辺り一面が凄まじい悪臭に覆われた。俺は手に付いた糞と血を客の顔面に塗りたくった。そして客の眼窩に指を突っ込み右の目玉を引きずり出した。左の目玉も引きずり出した。客の眼窩からは目玉がぶらぶらと揺れている。俺は脳が見たくなった。俺は店の工具箱からトンカチを出してきて、客の頭を打ち付けた。頭蓋が割れて頭皮が柔らかくなっていく。そこをカッターナイフで切り裂いて、頭の皮膚と肉とバラバラになった頭蓋を取り除くと形の崩れた脳みそが現れた。手で取り出そうとしたが、お豆腐のように柔らかいのでうまく取り出せず、最終的には頭蓋の中を両手でグチャグチャとかき混ぜて遊んでいた。

警察が来た頃には客は人の姿を止めていなかった。悪臭と凄まじい光景に警察官は何度も嗚咽した。何も言わぬまま俺の両手に手錠をかけた。だが俺は隠し持っていたカッターナイフで警察官を刺した。警察どもが俺を蹴り上げ、警棒で俺の背中を何度も叩きつけた。そして俺は気を失った。


「すいませんお待たせいたしました」俺はお釣りとレシートを客に返した。俺は頭の中で客を殺す妄想を何度も繰り返していた。だが妄想だけでそれを実行する勇気はなかったし、もし実行してしまったらと考えると恐ろしくなった。

そんなことを考えていると次の客が来た。客は急いだ様子で商品のチョコレートと一万円札を出した。「一点110円で1万円お預かりします。9890円のお返しでお先9000円お返しです」俺は札を数えた。「おーい急げばか」俺は札を落とした。「ばかばかばか」札を拾おうとした。「早く拾えよばか」。

俺は考える間も無く客を思いっきり殴りつけた。

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