血はどこにでも流れている

 銃を撃つ。相手に当たる。相手は死ぬ。当然のことで、それはこの作品でも変わることはありません。そこには乾いた無常があります。
 この作品では、主人公兄妹は勿論対峙者にも血が流れている。その熱い血が、銃弾によってあっさりと尽きてしまう。どこにでも飛び散って赤く染めてしまう。そこにどんな思いがあろうと、です。そして、舞台からは必ず失われるものがある。
 その果てに、誰が何を手に入れたのか。銃の重厚さと無情さから辿り着いたものとしては、あるいは甘いものであるのかもしれませんが、そこを抜けきったからこその結末なのでしょう。ある種の爽やかさは、作者さんの他の作品にも通じるものがあります。
 シンプルかつ痛快なガンアクションの短編として、強くおすすめいたします。

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