砂糖を入れる、その1

 もっとも一般的なのはグラニュー糖だと思う

 紅茶に限らず、コーヒーでも――

 一般家庭ではともかく、お店に置いてあるのはグラニュー糖が多い

 スティックシュガーや角砂糖なんかもそう


 グラニュー糖は万能性と保存性に秀でている


 味にクセがなく飲み物の風味を損なわない

 また、上白糖よりも湿気に強い

 そういった理由から、お菓子や飲み物にはよくグラニュー糖が使われる


 だから、紅茶に入れる砂糖も茶葉本来の風味や味を変えないグラニュー糖が一般的

 とはいえ、これは渋みを抑える名目で使うのがいい

 グラニュー糖で甘さを得ようとすると、たいがい入れすぎてしまうから

 なので、ストレートで飲む場合、私はそのようにグラニュー糖を使っている


 ところが、ミルクティーになると上白糖を使う

 日本人――というより、和食では定番の上白糖

 グラニュー糖より純度が低く、甘みがあとに残るのが特徴的


 ちなみに、お菓子においては食感テクスチャーに大きく影響を及ぼす

 例えば、カステラには上白糖が使われている(全部じゃないけどね)

 ロールケーキでも、外側に焼き面を持っていく際には上白糖を使う

 そうすると綺麗な焼き色が付いて、しっとりとした食感が生まれる


 では、紅茶に入れるとどうなるかというと……まぁ、味は変わるでしょう

良く言えばコクが出る

 紅茶本来の風味や味が削がれている感は拭えないが、私は好きだ

 幼い頃、ホットミルクに入れる砂糖が上白糖だったからかな?

 あの、なんとも言えない甘みが落ち着くのだ


 そして逆転の発想

 味が変わるということは、苦手な茶葉も飲める可能性があるということ

 これは三温糖に置いても言えることである


 茶色い砂糖、三温糖

 これまた和食――煮物では定番のお砂糖

 茶色いのはカラメル成分(モノによっては色素を添加)によるもの

 人間の味覚は面白いことに、雑味が加わることで甘みをより強く感じられるみたい

 結果、純度が一番高いグラニュー糖が淡白な甘みとなり、低い三温糖が濃厚な甘さを持っている


 この三温糖、実はフレーバーティーにはおすすめだとか

 実際、フレーバーティーに力を入れているお店では三温糖が常備されている

 なんでも、味と香りが引き立つとのこと

 たぶんだけど、微細な雑味が加わることで一番強い香りと味が際立つのではないかな~っと思ったり


 ちなみに、よく通は砂糖をいれないとか聞くが私はどうかと思う

 素材の味を神聖視するのは日本特有の考え方である

 実際、料理の世界では素材の味を活かすだけなら和食で充分という言葉もあったりなかったり


 また、お茶に砂糖を入れずに飲むのも日本や中国など一部の文化でしかない

 紅茶はあくまで海外の文化だ

 それなのに日本の流儀を押し付けて、さも無糖で飲むのが素晴らしいという考えはちょっとね

 しかも、逆のことをやられたら(緑茶に砂糖、カリフォルニアロールなどの寿司)、それはあり得ないと文句を付ける


 だから、個人の好みで主張するのはいいがそれがさも当然のように語るのは止めて欲しい

 もちろん、和紅茶であれば話は別だけどね

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