お祭り
この地域はずいぶんお祭りが多いと思う。十年ほど前に合併して市になったことも一つの原因だろう。
夏祭り一つにしても、市の夏祭り、元の町それぞれの夏祭り、商店街の夏祭り、農協の夏祭り等。
もちろん全部に行くわけではないけれど、私が子どもの頃に比べるとものすごく回数が多いのは確かだ。
そんなお祭りのときに、一人三百円あげて自由に買い物をさせると性格の違いがわかって面白い。年齢と経験の違いというのも出てくる。
あるお祭りで。
長男はいつものごとくすぐにいなくなってしまう。自由奔放型。
次男は、前回初めて自分で買い物をしたときに、さっさと使ってしまい後で欲しいものが買えなかった経験から、なかなか使わない。帰る間際になってやっと使うことができた。かなりの慎重派。
まだ年中さんだった三男は、すぐ目の前の物に目がいって使ってしまい、後からグズグズ言っていた。このときに同じジュースでも店によって値段が違うことを学習。次回からは一通り回ってから物を買うようになった。しっかり計算して使うタイプ。
四男は、このときはまだ小さかったので私が買ってあげたけど、あれから数年たってわかったのは、いくつになってもぱっぱと使ってしまうということ。衝動派。そしてなくなったら、じいじやばあば、お姉ちゃんにうまいこと甘えてまた買ってもらう末っ子甘えた型。
さて、帰る時間になっていなくなっていた長男を探すと。
屋台の裏に入り込んで手伝いをしている。そしてその店の商品をお礼にもらって食べたようだ。現金は使っていない。・・・生活力派?
前にもやっていてので駄目だと言ったんだけどなぁ。
働いて対価をもらっているんだから、悪いことではないんだけど・・・。邪魔にならずに対価分の仕事ができているのかが問題。
でもお店の人はみんな優しくて、
「手伝ってくれて助かったわ~。ありがとう」
と笑顔でいってくれるものだから、長男は味をしめて毎度繰り返す。
う~ん。これってどうなのかなぁ?
あんまりよくないと思って
「お店の裏には入りません」
と約束してみてもちっとも守らない。
じゃあお祭り自体に連れていかないと・・・勝手に一人で行ってしまうし。
「今日はお店に入ってない」
と言うのを信用してたら、夕食の量が少ない。
やっぱり何か食べてるだろうと聞き出すと、友達のお母さんが買ってくれたと言う。それなのに、相手の名前はわからないって!! お礼も言えないじゃないか。困ったやつだ。
「知らない人に物を買ってもらいません」
「知ってる人やもん」
「名前を言えない人は駄目です。いや・・・知ってる人でも、買ってもらいません」
「なんで?」
「なんでも」
押し問答。長男は納得してないから再犯する。
そしてさらに困ったことに、去年辺りから弟たちまで屋台裏に入りだした!!
そりゃね、兄ちゃんだけもらっているのを見たら、自分もやりたくなるよね。ポップコーンをカップに入れたり、かき氷のシロップをかけたり、やってることも楽しそうだし。
でも、君たちがいなくても店の人たちでできるから。基本的には入ったら駄目なの!!
って理解してくれるのはいつだろう・・・。
お祭りは楽しいけれど、頭が痛い。
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