フロントガラス
その時、助手席には長男が座っていた。後部座席には長女と次女。
スイミングの帰り道のこと。
小学生になった長男が、弟が座るためのチャイルドシートに窮屈そうに収まっている。わざわざそこに座らなくてもいいのに。
T字路の突き当りを一旦停止。左右確認して発進すると、確認したはずの右側カーブの向こうからすごいスピードで車が走ってきた。
思わずブレーキを踏む。
ゴイン
大きな音に助手席側を振り返ると。
まさかの出来事が!
長男が座っているチャイルドシートごと前のめりに倒れかかっていた。大きな音はフロントガラスに長男の頭がぶつかった音。
驚いたことにたったそれだけで、フロントガラスは蜘蛛の巣模様になってしまっていた。
「大丈夫!?」
すぐにチャイルドシートを起こし確認する。
「痛った~」
「どこが痛いん?」
「ここ~」
と頭をさする長男。
触ってみると小さなたんこぶができている。でも、超痛がりの彼がこの反応なら大丈夫そうだ。
実際スピードは10キロほどしかでていなかったのだし。
だけどなんて石頭なんだ。自分はほぼ無傷でガラスを割ってしまうなんて。
それにしても。
なぜチャイルドシートが吹っ飛んだのか? きちんと固定していたはずなのに。
「あ、さっき○○がはずしてるところ見た」
しれっと言う長男。
って知ってたのか!
「外れてるの知ってたら、つけなあかんやん!」
「だってぼくがやったんと違うもん」
「・・・・・・」
いたずらをしたのは次男だけど、知っててそのまま報告もせず乗っている君にも問題があるでしょう? たとえ君がやったんじゃなくてもさ。
怪我がなかったからよかったけれど。・・・フロントガラスは痛い出費だなぁ。
全く何のためのチャイルドシートだか。次からは毎回チェックしなければ。
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