　護国報恩とか、滅私奉公とか、古来日本の社会制度って社会主義的な側面が強いので、奴隷制度の概念はとってもとっても都合が悪かったと思う。

　労働というものをどう定義するかという問題で、日本の封建制は対価主義というか、労働で賃金を得るとか何かしら対価があることで納得させる方式を採っていて、だけど必ずしもそれは等価値換算とかの概念までは含まないんだよね。

　搾取があるんだけど、それを対価というカタチで誤魔化して成立してんのが古来からの日本の社会だというべきか…

　農村では侍たちに年貢を納めるんだけど、それは侍たちが守護と政治を取り仕切るお役所仕事をやってることへの対価という体裁で収めてるんだよね。日本のまつりごとっていうのは愚民政策を採ってないから、庶民は頭が良いままで、その頭の良い庶民を誤魔化すだけの高度な搾取構造というものが必要ってワケでさ。

　そうすると、武家社会から町家から農村に至るまで、上から下まで一貫して「労働対価」という価値観が、社会システムを構築する上での基盤にあるわけですよ。

　だからこそ、日本では超長期の労働契約というカタチで誤魔化して、年季奉公なんて形態を作り出したりしてるわけよね。これは「対価」というものが非常に力を持った社会ってことなんだわ。個人を縛る契約の力ってもので、強固に社会を維持してんのが日本の封建制ね。

　ところがだ、奴隷制ってのは「契約」無視なんだ。

　私は、キレイゴトで出来た歴史なんざ存在しないと思ってるんで、たぶん秀吉でも家康でも、奴隷制でブチキレたのは人権だの人情だのとはまったく関係ない理由だと思ってるし、それはきっと日本社会への脅威という側面のみで測られたに違いないとも思ってるんよな。

　日本社会は、強力な契約の縛りで維持された社会なのよ。そこへ、奴隷という契約無視な概念を持ち込んだアホンダラが宣教師たち、ということだよ。

　イエス様への従順な信仰なんてのも迷惑千万だったろうし、お上や帝よりも上の存在を信じるというのは日本にも八百万の神がいるからまぁいいんだけど、問題は寄進だよね、この日の本の土地はカケラも残さず帝のものという体裁で、その帝も神々から任されて管理してますて体裁なのが日本でしょ。

　なのに、幕府以下すべての諸侯は預かってるだけなのに、勝手に伴天連に渡してる売国奴が居る、て感じになるじゃん。キリシタン大名の問題点に気付いたことで九州討伐が急がれたってことだよね。始末に負えんようになる前に、て。

　この、「諸侯は土地を預かっているという体裁」もまた契約社会の礎なわけで、日本社会の根幹を揺るがしてるってことだと思わん？

　古来より日本人は非常に頭脳明晰で、よほどしっかりしたシステムを作らないと社会が維持出来んわけよ。だから現代に近い社会制度を維持してたわけでしょ。

　西洋だと教養は支配階級のものとされて愚民政策が採られたけど、日本はそんな政策はついぞ採ったことないのよ。農民が絵馬を奉納してて、その絵馬に高等数学の問題が解かれたものが描かれてたりするのよ。学問は推奨してんのが日本なのよ。

　それは、現代にも近しい近代的な社会構造の上に成り立っていたわけで、契約制度で回してたからこの「契約」という価値観が非常に重要な意味を持っていたんだよ。

　それを崩壊させかねないのが、「奴隷という契約無視」の抜け穴的な労働使役だよ。こんなもんを日本国内に輸入なんかさせたら、社会が崩壊するわな。ものすごい危機感持ったと思うよ、為政者たち。しかも、頂点がブレるじゃん。教会を軸にした権力構造があるのが西洋で、それを持ち込まれたら帝を軸にした日本社会の権力構造とぶつかるんだよね。

　今ある「弥助問題」って、本当に表面的なトコばっかり言ってるな、と思ってさ。

　すごく多方面に延焼していって、ゲームだけでなく歴史改竄問題にまで波及してて、正直、もうゲームどころじゃないんだけどもこのゲームを放置してしまうとまた歴史改竄が加速する可能性が、ということで多方面を同時進行で対処しなきゃいけないっていうことになってるのが辛すぎる…

　まず、大元にあるのは「近年の勝ち負け二元化の価値観」ってヤツで、各動画のコメ欄とかでも顕著なんだよね、とにかく勝ち負けで考えてる人が多すぎる。

　まだ日本とかアジア圏の人々はマシだと感じるけど、欧米は本当にヒドいよ。なんでこんなに汚染されてるんだとか思うくらい、勝ち負け拘る人が多い。異常だよ。

　たぶん、教育が間違ってるからと思うけどさ。欧米だと幼年期からの教育でも、いきなり論文形式の文章を書かせるとかいう話を聞いたことあるし。先に結論というかキモの主張を書いてしまってから、その説明とかを書くって。

　でも、よくよく考えたらさ、それって思考が形式的になって「自分中心の利己主義」が加速するだけじゃん。てコトにこの問題が起きてから気付いたわ。

　結論がまずあって、すべての論説がその結論を正当化するためだけにある、みたいな思考をした人がものすごく多く確認されてるじゃん？　最近。特に活動家とか問題行動起こす人ほどそういう思考回路の人が多いよね。教育の敗北だったか…とかって妙に納得したんだよね。

　当時はさ、どうせ日本には関係ないから知ったことじゃなかったし、あんまり深く考えもせずにスルーしてたけど、こんなトコで繋がるとはね。私ガチで日本以外はどうなろうが知らんし、て考えだから頭が働かんかったんよね。でも今、ほんとにヤバくなってきたから、脳みそがフル回転してるの自分で解るよ。（笑

　どうするべきかね、これ。日本を防衛するのに必死だよ、なんか。

「日本リスペクトしてる自分」っていう虚像に酔っ払って、現実の日本人は透明化してるっていう連中が、無意識の差別で日本を貶めようとしてるっていう問題なんだよね、これ。「俺の結論は正しい、なぜなら結論だからだ！」ていう思考回路だから話になんねーし。連中はまた、「同胞の罪を断罪する選ばれしアテクシ」ていう酔っ払いでもあるから、始末に負えないっていうさ。もー、ガチでどうしたらいい？弥助。

「日本リスペクトしてる俺は正しい、なぜなら俺のリスペクトは正しいから！」

　助けてくれ、弥助。