【弥助問題】弥助は「芸達者」?

 なんか、岡氏が鍵掛けたXをもう一度解放してまでして訂正しようとしてるというか、イエズス会史料の翻訳が間違ってる、と猛抗議してるモヨウ。


 弥助、向こうの史料で「力が強くて、ちょっとした芸が出来た」て書いてあるんよ。


 これは他の記述で「信長にいろいろお話ししたりして大層気に入られた」があるから、まぁ妥当かなと思ってたんだけど、これをもって呉座氏が「弥助は芸人」と言っちゃったから、ブチキレて訂正に出てきたんだろね。


 芸人っていうとほら、「どうも~、弥助でーす、」「利休でーす、茶飲み漫才やりまーす、」みたいなイメージが付いちゃうからだろうけどさ。


 でも二つの史料を合わせて紐解いても、そういう漫才師的な立ち位置ってよりは、だってそうなら太鼓持ちという職業があるから、その程度でノッブが興味惹くと思えないし、むしろ吟遊詩人的な才能じゃないかなと思うというか、思ってたわ。(笑


 自分が見聞してきた色んな事柄を、面白おかしく楽しく聞かせた、みたいなイミだろうなと思ってたよ。海外の噂話から伝聞まで、宣教師のヴァリニャーノの地位が高かったなら、そりゃもう色んなことを見聞きしただろうし。


 ヴァリニャーノ自身がどれだけこの弥助を気に入って連れ回していたか、というところが証明できる史料があるなら、そんでこのヴァリニャーノの地位が高くて方々に行ってたと証明できたら、その説が有力になるけどね。


 でもそれナシだと、やっぱ「なにか芸が出来たんだろ」という解釈が妥当よな。


「これは資質に優れたと訳すべき!」とか言ってたけど、そんな枝葉は問題にしない方がいいよ。力が強かったというのは日本側史料にも「十人力」「牛の如く」でだいたい捕捉されてるし、これが百人力や一騎当千とかでない以上、これのイミはせいぜい「イチ馬力」というイミだわ。普通の人より力強い、てイミよ。馬=牛一頭分くらいというイミで「牛の如く」が容姿の形容と兼ね合いになってるよ。


 力持ちで、その力に似付かわしいガタイの良さ、てイミでしょ、これ。


 普通の人より力が強かったし、相撲を取らせたとかの記述もあるから力士と張り合えるほどではあったんじゃないかなぁ。


 んでも「武勇に優れた」にはならんよ、これ。あくまで「馬力あった」てイミ。




追記:

 そんで、岡氏が発信源だったらしい「日本でも黒人奴隷が買われていた」とかいう主張だけども、根拠はたぶん九州に居たらしい数人の砲撃手のことだろう。しかしながら当然のことだが売買契約書などの史料もなければ、わずか数行の記載しかないようなモノらしいね、これも。


 そんでもって皮肉なことに、大騒ぎした弥助の例をもって、この数人の砲撃手もおそらくは「技術枠採用の雇用者」ということが推測されますわな。大砲を扱う技術者やろね。白人じゃないのも、当時の取引相手であるポルトガルが、日本なんて僻地に赴任したがるヤツが居なかったからでしょ。


 本来ならそういうトコを足掛かりにして、なんでここで黒人砲撃手なのかってトコに疑問を抱いて、当時のポルトガルやスペイン、欧州の意識ってのがどうだったかを調べるもんなんだけどさ。


 結論ありきで目が盛大に濁ってるから、そういう僅かな違和感なり糸口なりにも気付けないほど脳みそがコチコチになっちまうんだよ。思想は毒だ。


 魔女狩りを引き起こしたのも、聖職者をレイシストに堕落させたのも、思想だ。

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