前のエピソード――【弥助問題】INVERSEの記事に反論してみるｗｗ　③

　まず、弥助以外の黒人はぜんぶ削除。これは絶対。たぶん出してるでしょ？　あり得ないから。「弥助が特別製だったからヴァリニャーノが連れ回していた」と考えた方が妥当だから。インド経由ならインドで必要分だけ調達すりゃ済む話だから。実際、弥助はインド人では？説もあるから。

　何より、日本へは金銀を目当てに行ってたはずだから、それと交換するための硝石とか武器を積んでたはずだわ。日本は人が足りないなんてことなかったから黒人なんか積んでっても売れん。硝石を作る技術がなかったから、硝石がどうしても欲しかったんだよ、大名たちは。鉄砲と火薬はセットだから。（プランテーションの為に奴隷入れたってトコ忘れてるだろ、ロックリー擁護派のボケども。）

　そんで弥助のあの仰々しい鎧武者姿は「武将」クラスなので、なんか理由がないと小姓だろうが中間だろうが着てたらおかしいんで、理由を作る。妥当な理由アリならいいのよ。

　最初、信長存命の時は下級武士の服装にして、本能寺の後でアレを着てるという感じならいいと思う。信長の復讐者という意味付けにしたりで。誰か他の武将に託されたりしたならなおヨシ。

　武将クラスの扱いをいきなり弥助に与えたりしたら、明智が謀反起こすまでもなく他の武将が皆、他の大名に鞍替えしとるわ。家臣が舐められてると思っちゃうようなことするわけないだろ。武士の主従関係は現代の会社とあんま変わらんよ。ヘッドハンティングもするし、リストラもするし、乗っ取りもある。ポッと出のどこの馬の骨とも知れん黒人がいきなり武将扱いになったら、他の武将は全員去るわ。

　弥助を神だと思った？　一神教の感覚じゃ解らんだろうけど、日本人は神にひれ伏したりしないんだよ。漫画アニメでもよく神さまボコボコにしてるだろ。

　八百万も居るのにいちいち傅いてられるか。肌が黒い程度で恐れおののくこともないよ、地震に噴火もしょっちゅうで、あれもぜんぶ神さま扱いなのに、肌の色程度でビビるか。花見感覚で黒人見物しに弁当持って駆けつける、て程度だよ。パンダが初めて日本に来た時のフィーバー状態が起きたと思えばいいよ。

　あんな上級武将の甲冑姿してたら目立ってしゃーないんで、あれは襲撃の時だけにしたらなおいいよね。山の中とかに潜んでたらまず見つかんないけど、協力者として、どこかの隠れ里みたいのを用意して普段は潜んでいたらいいと思う。

　本能寺の変って、わかんないことだらけなんだよね。

　とくに光秀が裏切った理由ってのがもう戦国七不思議の一つって感じ。だから、ここに創作をねじ込む。もともと異論がたくさんあるんだよ、本能寺の変って。

　通説が「光秀怨恨説」と「光秀野心説」のハイブリッドだったけど、近年では「土岐氏関連説」と「長宗我部関連説」が言われてきてる。これも弥助の項目同様に、正確なとこは「解らない」なんだわ。でも光秀の性格からして怨恨や野心と考えるのはアホですか、て感じなのはそう。だから七不思議。

　お偉いさんの間で「これが通説です」て怨恨と野心のハイブリッド説が出されたけど、そんなん信じる一般人歴史愛好家はあんま居ねぇわ。バカにすんな、て感じ。

　ロックリー氏の著書はそういう位置付けで言えば「日本が黒人奴隷の発祥地説」という感じであって、それが日本人がブチキレた原因ね。日本はむしろ被害者だ。どこから出たんだ、その説。説明しろやコラ、て状態なのが今。

　フロイスが日本のことを報告したことで西洋に日本が知られて、それで日本が人気になったんだろ？　知ってるよ。だから日本人奴隷は高く売れるってことで密輸が盛んに起きたんだよ。そんで秀吉がブチキレて伴天連追放令になって、家康が鎖国したんだわ。史料を照らし合わせて出てきたコレが「通説」になってるよ。

　ロックリー氏の著書はまったく辻褄が合わないことだらけで、完全にトンデモ歴史本の括りなんだよ。だから日本人がブチキレたの。海外じゃあれが権威になってるから。私はむしろWikiとブリタニカにキレそうだけどね。工作が発覚して炎上に気付いた時点で編集して削除するべきだろうがよ。信用問題だろうによ。

　弥助は高位の武士階級ではありえない。そんなことをしたら信長は他の家臣に見捨てられる。神さま扱いもない。日本人は神さまでもボコボコにする民族だ。

　弥助の他に黒人はいない。九州に上陸はしていただろうが、イエズス会が自分たちの手の内を知ってる奴隷たちを日本人に渡すわけがない。侵略しようとしてんのに。立場が弱いのは日本側だ、硝石は日本じゃ手に入らない。信長が悪魔のような手腕を持っていたから唯一弥助を入手できただけだ。

　そして、イエズス会の記載にあった「弥助はもともと日本語が話せる」とかいうのは嘘っぱちだろうよ。どこの誰に教わるんだ。インドで日本人奴隷からか？　そんな暇を奴隷に与えるほどお優しいのか、白人さまはよ。

　本能寺の変の後に返されてきた弥助が、イエズス会的に都合が悪かったんだろうよ。黒人は人間以下だから奴隷にしてもいいっていうロジックなのに、信長の元で教育を受けてたんだよ、弥助は。めっちゃくちゃに都合が悪いよなぁ、そりゃ。

　一年程度で日本語の読み書きなんか出来ないと言われるが、ちゃんと教師が付いて教えてもらっていたらその限りじゃないだろが。でもそれはイエズス会的には都合が悪かったんだよ。だけど日本人が恐ろしく筆まめなのも知っていたから、インドにいた時からちょっとだけ日本語に通じてた、とか苦しい言い訳を書いてたんだろうよ。

　話も通じないヤツを一年間も放置しとくか？　信長でも家臣でも。教育係を付けて、取りあえず読み書き算数くらいは教えたに決まってんだろ、仕事になんねぇし。

　でもそれはイエズス会には都合悪いんだよ。弥助はインドの状況も宣教師の正体もポルトガルや、なんならスペインの事情や、本当の企みも知ってて、その上に、それらを正当化してるロジックがペテンだってことに気付いてしまったわけじゃん？

　…逃げ出してたらいいけどね。

　誰を悪者にしたら一番すんなり辻褄が合うのか、解ろうもんだと思うけどなぁ。

　あと、弥助をゲイにすんのはいいけどさ、いちおう洗礼受けてるんだから葛藤があるのは折り紙付きだよね？　神に背く行為じゃん？　ポリコレ思想でこれをスルーすんのが歴史軽視って言われるんだよ。当時の人間の心境をなぞってない、現代人感覚でおままごとしてるだけだって言われるんだよ。（弥助に葛藤があったように、宣教師たちの中にも葛藤があって然るべきだから、そこに創作の余地が生まれる）

追記：

　本能寺の変で「IF」をねじ込める箇所は二つあるんだよね。ひとつは、光秀の心理。動機の点ね。「光秀単独犯説」になって、だけど唆した黒幕ってトコに創作を入れ込むことが出来る。

　もう一つは光秀も謀られた側とする説。「本能寺濡れ衣説」とでも言うんですかね、新発見の史料で、光秀が当時、本能寺には居なかったことが判明したからね。

　何処だったか詳細忘れたけど、別の場所で軍を待機させてたらしい。この時、信長も進軍準備で本能寺に入っていたことは解ってるから、この光秀の行動は怪しくない。信長の合流を待っていただけ、とも取れる。

　で、これ、なんか今でこそ1万3千人とかになってるけど、昭和の頃に言われてたのは「少数で隠密に近付いて急襲した」だったんよ。なんでそんなに膨れ上がった？とかねてより不思議に思ってたら、やっぱ史料の中には3千人と記されてるものもあるのよ。（祖父物語）

　これね、昔から「国策で通説が固定されている」という噂があったんだよね。なんでかって言うと、諸説の中に「朝廷黒幕説」ってのがあったから。まだまだ不敬罪とか天皇家護持ってのが強固だったんで、自由な議論を制限していたんじゃないかとかもね、これは私の個人的な意見ですが。鎌倉時代なんか時代ごと無視されてたよ、いやホント。

　当時はもっと共産主義勢力が強くてさ、天皇家解体とかももっと脅威だったんだよね。だからすごく神経質になっていて、それが原因で明智の謀反に関わる言説を制限していた、ということは充分ありえるかなと思ってるわけですわ。まぁ、蛇足で。

　んで、本能寺を襲撃したのが僅か三千の兵だったとしたら、これは史料もあることだしで、もしそうだったら充分、「濡れ衣説」は成立すんのよ。創作としてはね。こんな程度の推論で、歴史学としての説になるわけはないんだけど、創作としてはこれくらい材料があればOKだと思うんよ。

　そしたら、誰がこの「三千の兵」を用意して光秀に罪を着せたのか？という話になって、そこはもう当時の有力な連中の誰でも持ってこれるという具合ですわ。んで、これを「史実」だの「学説のひとつ」だの嘘を吐かずに、「史実の謎をフィクションで補ってみました」のスタンスで提示したら良かったと思うんよ。

　今後、弥助の予定が海外にはたくさんあるみたいだけど、ロックリー史観がまったくの「トンデモ」だったということが判明して右往左往じゃないかと思うんだよね。

　だから、創作の余地のあるベースを提示してみせるのも、この事態を収束させつつ、有害なロックリー史観の追放にはいいんじゃないかと思って書いてみたよ。

　ただ反対するだけでなく、代替え案の提示ね。